n 次正方行列 X が正則であるとは、行列 X が逆行列を持つことを意味します。逆行列を持つ行列は、行列式が 0 でないという特徴を持っており、この性質を論理記号を使って表現する方法について解説します。
正則行列とは?
正則行列とは、逆行列を持つ行列のことです。つまり、行列 X に対して、ある行列 Y が存在して X × Y = I(単位行列)という関係が成り立つとき、X は正則行列と呼ばれます。逆行列が存在するため、行列 X の行列式は 0 ではないことが求められます。
数学的には、行列 X が正則であるためには、次の条件が必要です。
- 行列式 det(X) ≠ 0
- 行列 X が満たすべき条件として、X × X^(-1) = I となるような X^(-1)(X の逆行列)が存在すること
論理記号を用いた正則行列の定義
n 次正方行列 X が正則であることを論理記号を用いて表現する方法は次のようになります。
∀ X ∈ M_n(ℝ)(n 次実数行列の集合)、(∃ X^(-1) ∈ M_n(ℝ)) ∧ (X × X^(-1) = I)
この式は、「任意の n 次正方行列 X に対して、逆行列 X^(-1) が存在し、その積が単位行列 I になる」という意味です。X が正則であるためには、X に対応する逆行列 X^(-1) が存在することが必要です。
行列式との関係
正則行列のもう一つの特徴は、行列式 det(X) が 0 でないことです。行列式が 0 の場合、その行列は逆行列を持たず、非正則と呼ばれます。
逆に、行列式 det(X) ≠ 0 の場合、行列 X は正則行列であり、逆行列を持ちます。この関係を論理記号で表現すると、次のようになります。
det(X) ≠ 0 ⇒ ∃ X^(-1) ∧ (X × X^(-1) = I)
まとめ
n 次正方行列 X が正則であることは、「X に逆行列 X^(-1) が存在する」ことと同義です。この定義を論理記号で表現すると、行列 X が逆行列を持つ場合に限り、その行列は正則であると言えます。行列の正則性は、行列式 det(X) ≠ 0 という条件で確認することもできます。行列の正則性を理解することで、逆行列を使った計算が容易になります。
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