この問題では、水平方向となす角が30度の斜面上に質量2.5キロの物体を置き、上に動き始める直前の物体を引く力の大きさを求めます。静止摩擦係数を0.40、重力加速度を9.8m/s²とします。具体的な解法を図とともに解説します。
1. 問題の整理
まず、問題の条件を整理します。質量が2.5kgの物体を斜面に置き、斜面に沿って上向きに力を加えることで物体が動き始めます。静止摩擦力を克服するために必要な力を求めます。
2. 物体に働く力の図示
物体に働く力は、以下のように分けられます。
- 重力 (G = m × g)
- 垂直抗力 (N)
- 静止摩擦力 (F_f)
- 引く力 (F)
物体が斜面を登り始めるには、摩擦力を超える引く力が必要です。この場合、摩擦力は静止摩擦力で、最大値が静止摩擦係数×垂直抗力となります。
3. 力の分解と計算
物体に働く力を分解します。物体の重力は、斜面と平行な成分と垂直な成分に分けられます。
- 重力の斜面に沿った成分:m × g × sin(θ)
- 重力の垂直成分:m × g × cos(θ)
ここで、θは斜面の角度(30度)、mは物体の質量(2.5kg)、gは重力加速度(9.8m/s²)です。
4. 静止摩擦力と引く力の関係
静止摩擦力は、物体が動き始める直前の最大値であり、次の式で求めることができます。
- 静止摩擦力 F_f = μ_s × N
- ここで、μ_sは静止摩擦係数、Nは物体に垂直に働く力(m × g × cos(θ))です。
引く力Fが静止摩擦力F_fと重力の斜面方向の成分(m × g × sin(θ))を克服するためには、次の関係が成り立ちます。
- F = F_f + m × g × sin(θ)
これを計算することで、物体が動き始める直前の引く力Fを求めます。
5. 結論
計算結果により、物体を動かし始めるために必要な引く力の大きさが求められます。静止摩擦力の計算と力の分解を通じて、問題の解決方法が明確になります。
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