この問題は食品中に含まれるタンパク質の質量百分率を求める問題です。問題文を整理し、化学反応や計算方法を理解することが必要です。まずは、問題に出てくる化学反応と計算方法を順を追って解説していきます。
問題の整理
問題は次のように整理できます:食品1.0gを濃硫酸で加熱し、含まれる窒素をすべて硫酸アンモニウム(NH₄₂SO₄)に変えます。その後、水酸化ナトリウムを加えて蒸留し、生成されたアンモニウム(NH₄⁺)を0.025 mol/Lの希硫酸に吸収させます。この溶液を0.050 mol/Lの水酸化ナトリウム溶液で滴定し、10 mLを消費したとあります。
また、問題では「タンパク質量 = 6.3 × 素量」と与えられているので、この式を使ってタンパク質量を求めます。ここでの「素量」は、食品中に含まれる窒素の量に関係します。
解法のステップ1:アンモニウムのモル数を求める
まず、滴定に使われた水酸化ナトリウムのモル数を求めます。水酸化ナトリウムのモル数は、滴定に使った体積(10 mL)とそのモル濃度(0.050 mol/L)を使って求めます。
水酸化ナトリウムのモル数 = モル濃度 × 体積(L)
水酸化ナトリウムのモル数 = 0.050 mol/L × 0.010 L = 0.0005 mol
このモル数は、アンモニウム(NH₄⁺)のモル数と等しいです。したがって、アンモニウムのモル数は0.0005 molです。
解法のステップ2:窒素の質量を求める
次に、アンモニウムから窒素のモル数を求めます。硫酸アンモニウム(NH₄₂SO₄)からアンモニウムが生じているので、アンモニウムのモル数からその窒素量を求めることができます。
1モルの硫酸アンモニウムには2モルの窒素(N)が含まれています。したがって、アンモニウムのモル数(0.0005 mol)から、含まれる窒素のモル数は次のように計算できます。
窒素のモル数 = 0.0005 mol × 2 = 0.001 mol
窒素のモル質量は14.0 g/molなので、窒素の質量は次のように計算できます。
窒素の質量 = 0.001 mol × 14.0 g/mol = 0.014 g
解法のステップ3:タンパク質の質量を求める
問題文では「タンパク質量 = 6.3 × 素量」と与えられています。ここでの素量は窒素の質量ですので、窒素の質量(0.014 g)を使って、タンパク質量を求めます。
タンパク質量 = 6.3 × 0.014 g = 0.0882 g
解法のステップ4:タンパク質の質量百分率を求める
最後に、食品中に含まれるタンパク質の質量百分率を求めます。食品の質量は1.0 gなので、タンパク質の質量百分率は次のように計算できます。
タンパク質の質量百分率 = (タンパク質量 / 食品の質量) × 100
タンパク質の質量百分率 = (0.0882 g / 1.0 g) × 100 = 8.82%
まとめ
この問題では、質量保存の法則と滴定を使って、食品中に含まれるタンパク質の質量百分率を求めました。計算手順は、まず滴定によるアンモニウムのモル数を求め、その後窒素の質量を計算し、最終的にタンパク質の質量百分率を求めるという流れでした。解法を理解し、同様の問題に取り組む際に役立ててください。
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