オシロスコープを使用する際、波形の振幅をどのように表記すべきかはよく問われる点です。オシロスコープの画面上に表示される波形の振幅を「〇div」と表記する方法と、「△V」として具体的な電圧に変換する方法について、どちらが適切なのかを理解することは、測定結果の正確な解釈に欠かせません。この記事では、この表記方法について詳しく解説します。
オシロスコープにおける振幅の基本的な考え方
オシロスコープは、電気信号の波形を視覚的に表示するための非常に強力なツールです。波形の振幅は、通常、縦軸で示され、これが信号の電圧を反映します。オシロスコープの画面上で、波形の高さ(振幅)を直接「div(ディビジョン)」単位で測定することができます。
オシロスコープの画面には、グリッド(目盛り)が描かれており、このグリッドは通常1divごとに設定されています。このため、波形が1div分の高さである場合、それは1divの振幅を持つことを意味します。ただし、1divの高さがどの電圧に相当するのかは、オシロスコープの設定によって異なります。
振幅の表記方法: divとVの関係
振幅を「〇div」と表記する方法は、波形が表示された位置を単に示しているだけです。しかし、実際の電圧値を求めるためには、オシロスコープの設定を考慮に入れる必要があります。オシロスコープには「v/div」という設定があり、これは1divあたりの電圧(例えば、1V/divや0.5V/divなど)を指定するものです。
この設定を基に、実際の電圧(△V)は次のように求めることができます:振幅のdiv数 × 1divあたりの電圧(v/div)。例えば、2divの振幅があった場合、設定が1V/divなら、振幅は2Vとなります。
波形の振幅を計算する方法
オシロスコープでの振幅を計算する方法は非常に簡単です。まず、表示されている波形の高さを数えます。例えば、波形が4divの高さであれば、4divという数値が得られます。
次に、オシロスコープの設定を確認します。例えば、1V/divの設定がされていれば、振幅は4div × 1V/div = 4Vとなります。このように、div数とv/div設定を掛け合わせることで、波形の実際の電圧値を求めることができます。
「div」と「△V」の使い分けについて
オシロスコープの振幅を表す際に、「〇div」と「△V」を使い分けることが重要です。通常、「〇div」はオシロスコープの画面上で直接測定した波形の高さを示すために使われ、「△V」は実際の電圧値を求めるために使われます。つまり、画面上で表示される振幅を「div」で示し、実際の電圧を求める際には「div」と「v/div」の設定を掛け合わせて「△V」を算出するのが適切です。
したがって、オシロスコープに表示される波形の振幅を表す際には、まずは「〇div」として表記し、その後に必要に応じて「△V」を計算するという流れが一般的です。
まとめ
オシロスコープの波形の振幅を表記する際、「〇div」は画面上で表示される波形の高さを示す単位であり、実際の電圧値(△V)を求めるには「〇div × v/div」の計算が必要です。これにより、オシロスコープの波形が示す振幅を電圧に換算することができ、測定の正確な結果を得ることができます。理解しておくべきポイントは、波形の表示だけではなく、その背後にあるオシロスコープの設定をしっかりと把握することです。
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