日本語のように、感情や意図をあえて曖昧に伝える表現は、英語でも可能なのでしょうか?たとえば「私はあなたのことが――」と、好きとも嫌いとも言い切らないような“ぼかし”の表現。英語では一見はっきりとした言語に思われがちですが、実は感情を遠回しに表現する方法も多く存在します。
英語にもある「曖昧表現」や「ぼかし」の技術
英語では明確な述語が基本ですが、文法上の倒置よりも、言い回しや間接的な語彙選択によってぼかし表現を実現します。たとえば、”I don’t know how I feel about you.”(あなたのこと、どう思っているか自分でも分からない)という言い回しは、まさに感情の明言を避ける例です。
また、”There’s something about you.”(あなたには何かある)というような構文も、好意とも警戒とも取れる曖昧な印象を与えるため、ぼかし表現の一種といえます。
よく使われる曖昧なフレーズ例
英語では以下のようなフレーズが、感情や判断を明言せずに伝える手段として使われます。
- “I’m not sure what to say about you.”(あなたのことを何と言えばいいか分からない)
- “You’re… something else.”(君って…なんか他と違う)
- “I can’t quite put my finger on it.”(それが何なのかはっきりとは言えない)
これらは詩的または文芸的な用法でも多く見られ、表現に深みを加える効果があります。
曖昧な感情表現が有効な場面
恋愛や人間関係の初期段階では、気持ちを明確にしないことで相手に余白を与えたり、駆け引きの要素として用いたりすることができます。また、ビジネスや外交などフォーマルな場面でも、意見をストレートに表現しない配慮ある言い方として機能します。
たとえば、“That’s an interesting perspective.”(それは興味深い見方ですね)という言い回しは、賛成とも反対とも取れる便利な表現です。
倒置構文そのものより「間接的表現」がカギ
日本語では「好き」とか「嫌い」を文末に置いて強調したりぼかしたりできますが、英語では基本的に倒置構文よりも比喩や婉曲表現、語順の選択などでニュアンスを調整します。
たとえば “You are someone I just can’t quite figure out.”(あなたって、どうにもつかみどころがない人)などの構文は、文の構造を崩さずに曖昧な感情を表現できます。
まとめ:英語でも「述語をぼかす」ことは可能
英語は直接的な言語という印象がありますが、比喩・語彙選択・言い回しの工夫によって、述語や感情をぼかす表現も可能です。言葉を選ぶことで、あいまいさや奥行きを生み出すテクニックは、英語でも日本語同様に使いこなすことができます。表現の幅を広げたい方は、今回紹介したようなフレーズをぜひ活用してみてください。
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