エンジンオイルの劣化について:静止状態でも3年後に劣化しないのか?

工学

エンジンオイルの劣化について、ある大学の先生が「現在販売されているSL〜SNグレードのエンジンオイルは、常温で静置しておいても3年後にほとんど劣化しない」と話したという話を聞いたことがあるかもしれません。果たしてこれは正しい情報なのでしょうか?この記事では、エンジンオイルの劣化メカニズムとその実際について解説します。

エンジンオイルの役割と種類

エンジンオイルは、エンジン内部で摩擦を減らし、部品同士の摩耗を防ぎ、熱を吸収してエンジンを冷却する役割を果たします。また、エンジンオイルにはいくつかの種類があり、SL〜SNグレードのオイルは現代のエンジンに適した高性能なオイルです。

これらのオイルは、エンジンの状態や使用環境に応じて異なる性能を発揮しますが、劣化の仕組みについては十分に理解しておくことが大切です。

エンジンオイルの劣化メカニズム

エンジンオイルは時間の経過とともに劣化しますが、その主な原因は高温下での撹拌や酸化です。エンジンが稼働する際、高温の状態でオイルが撹拌されると、化学反応が進行し、オイルが酸化します。この酸化が進むと、オイルの粘度が変化し、エンジン内部の摩擦を十分に減らせなくなります。

また、エンジンオイルには添加剤が含まれており、これも時間とともに効果を失います。オイルの劣化を防ぐためには、定期的な交換が必要です。

常温で静止させた場合のオイルの劣化

質問にあった「常温で静置しておいても3年後にほとんど劣化しない」という点についてですが、エンジンオイルは常温でも徐々に劣化します。とはいえ、撹拌や高温環境での劣化に比べれば、静止状態での劣化は遅く、確かに長期間保存可能である場合もあります。

しかし、保存方法によっても劣化速度は変わります。オイルが直射日光にさらされることや、高湿度の環境では、オイルの酸化が早まることがあるため、適切な保管環境が重要です。

高温撹拌時の劣化が進む理由

エンジンオイルが最も劣化しやすいのは、高温環境で撹拌される際です。エンジン内部ではオイルが非常に高温になり、常に動き回ります。この過程でオイルの分子が酸素と反応し、酸化が進行します。酸化されたオイルは、潤滑性能を失い、エンジンの摩耗を促進します。

そのため、エンジンオイルの交換時期は、オイルが使われる温度や撹拌状態によって大きく影響を受けます。

まとめ:エンジンオイルの保存と劣化について

エンジンオイルは、保存状態によって長期間使用できることもありますが、高温での使用や撹拌が進むと劣化が加速します。質問の先生の意見のように、常温で静置されたオイルが3年後でもほとんど劣化しないというのは、一定の条件下では正しい部分もあります。ただし、オイルが長期間使用されることは少なく、使用後は定期的に交換することがエンジンの性能を保つために重要です。

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