化学実験で使う標準溶液を作る際、モル濃度(M)は非常に重要な概念です。ここでは、モル濃度をどのように計算し、表現するのかについて解説します。質問の内容に合わせて、無水炭酸ナトリウムを使った0.2 M Na2CO3標準溶液のモル濃度の計算方法について説明します。
モル濃度とは?
モル濃度(M)は、溶液中の溶質のモル数を溶液の体積で割ったものです。簡単に言うと、1リットルの溶液中に含まれる溶質のモル数を表しています。例えば、0.2 M Na2CO3とは、1リットルの溶液に0.2モルのNa2CO3が含まれていることを意味します。
モル濃度は、化学反応において物質の反応比を計算する際に重要な役割を果たします。
標準溶液の調製方法と計算
問題の内容にあるように、無水炭酸ナトリウム(Na2CO3)を10.5410g溶かして500mLの溶液を作ると、0.2 MのNa2CO3標準溶液が得られるとのことです。まず、モル濃度を計算するために、以下のステップを踏みます。
1. 無水炭酸ナトリウムのモル質量は106 g/molです。10.5410gのNa2CO3のモル数を求めます。
モル数 = 10.5410g ÷ 106 g/mol = 0.0995 mol
2. 500mL(0.5L)の溶液に0.0995 molのNa2CO3が溶けているので、モル濃度は次のように計算できます。
モル濃度 = 0.0995 mol ÷ 0.5 L = 0.199 M ≒ 0.2 M
モル濃度の表現方法
モル濃度は以下の3つの方法で表現できます。
①そのままのモル濃度
そのままのモル濃度は、実際に調製した標準溶液のモル濃度です。この場合、0.2 M Na2CO3が得られたので、モル濃度は0.2 Mです。
②ファクター付きモル濃度
ファクター付きモル濃度は、標準溶液をどのように調製したかを示す場合に使用します。この場合、0.2 M Na2CO3は、10.5410gの無水炭酸ナトリウムを500mLの水に溶かして作ったもので、ファクターとして「10.5410g/500mL」が加わります。
③規定度
規定度は、溶液の成分濃度に基づいて表される値です。ここでは、0.2 MのNa2CO3が規定度として使われます。
まとめ
モル濃度(M)は、溶液の中の溶質の量を示す重要な指標です。無水炭酸ナトリウムの標準溶液を作成する際、モル質量を基に計算し、正確な濃度を求めることができます。モル濃度を表現する方法としては、そのままのモル濃度、ファクター付きモル濃度、規定度があります。これらを理解して、正確に計算できるようにすることが大切です。
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