合同連立方程式を解く方法は、数論において重要な問題の一つです。特に、異なる法での合同条件が与えられた場合、それらを解くためには中国の剰余定理(Chinese Remainder Theorem, CRT)を利用することができます。この記事では、与えられた合同連立方程式を解く方法を順を追って解説します。
合同連立方程式の形式
与えられた問題は以下の合同式です。
- z ≡ 9 (mod 11)
- z ≡ 11 (mod 13)
- z ≡ 16 (mod 17)
これらの合同式を同時に満たす解を求めます。この問題は、中国の剰余定理を用いて解決することができます。
中国の剰余定理の概要
中国の剰余定理は、互いに素な模数での合同式の解を一つの合同式にまとめるための方法です。具体的には、合同式が次のような形のとき。
z ≡ a₁ (mod m₁)
z ≡ a₂ (mod m₂)
z ≡ a₃ (mod m₃)
m₁, m₂, m₃ が互いに素であれば、この問題は一つの合同式に変換することができます。
解法のステップ
それでは、与えられた合同連立方程式を解く手順を説明します。
1. 各模数の積を計算する
最初に、各法の積 N を計算します。
N = 11 × 13 × 17 = 2431
次に、各模数 m₁, m₂, m₃ に対応する補正係数を計算します。
2. 各補正係数を計算する
次に、それぞれの補正係数 M₁, M₂, M₃ を計算します。これらの補正係数は、次のように計算されます。
M₁ = N / 11 = 2431 / 11 = 221
M₂ = N / 13 = 2431 / 13 = 187
M₃ = N / 17 = 2431 / 17 = 143
次に、M₁, M₂, M₃ に対して逆数を計算します。
3. 各補正係数の逆数を計算する
各補正係数の逆数を計算します。逆数を求めるためには、拡張ユークリッドアルゴリズムを使用して、次の条件を満たす数を求めます。
M₁ * x ≡ 1 (mod 11)
M₂ * y ≡ 1 (mod 13)
M₃ * z ≡ 1 (mod 17)
これにより、逆数を求めると。
x = 1, y = 4, z = 7
4. 解を求める
最後に、解 z は次の式で計算されます。
z = (9 × 221 × 1 + 11 × 187 × 4 + 16 × 143 × 7) mod 2431
計算を行うと、解は z ≡ 1289 (mod 2431) となります。
まとめ
合同連立方程式を解くためには、中国の剰余定理を活用することが効果的です。与えられた合同式に基づいて、各補正係数や逆数を計算し、最終的に解を求めました。この方法を使えば、複数の合同式を効率的に解くことができます。
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