オイラー記述によるナビエ・ストークス方程式の導出方法

工学

オイラー記述に基づくナビエ・ストークス方程式の導出は流体力学の基礎的な内容ですが、理解するためには流体の運動方程式を深く掘り下げる必要があります。本記事では、オイラー記述によるナビエ・ストークス方程式の導出について、順を追って解説していきます。

オイラー記述とは?

オイラー記述は流体力学において、流体の物理量(速度や圧力など)を空間の座標に関して記述する方法です。これは、流体の動きを観察するために流体の「動点」に注目し、その位置と時間で変化する物理量を捉えます。オイラー記述では、流体を一つの物体のように扱い、速度場や圧力場を数学的に表現します。

ナビエ・ストークス方程式の導出

ナビエ・ストークス方程式は流体の運動方程式の一つで、粘性流体の挙動を記述します。オイラー記述に基づいて、運動方程式を以下のように表現できます。

ρ(∂v/∂t + v·∇v) = -∇p + μ∇²v + f

ここで、ρは流体の密度、vは速度ベクトル、pは圧力、μは動粘性係数、fは外力を示します。この式は、流体の質量保存、運動量保存、エネルギー保存の法則に基づいています。

各項の解説

ナビエ・ストークス方程式の各項は以下のように解釈できます。

  • ρ(∂v/∂t + v·∇v):流体の加速度項。流体の運動状態の時間的な変化を示します。
  • -∇p:圧力による力。圧力が流体に及ぼす影響を表します。
  • μ∇²v:粘性項。流体の内部の摩擦力を表します。
  • f:外力項。例えば重力などの外部の力が流体に及ぼす影響を表します。

オイラー記述とラグランジュ記述の違い

オイラー記述では、流体の物理量が固定された場所で観察され、流れの各点で時間的に変化する様子を捉えます。一方、ラグランジュ記述では、流体の粒子の移動を追うため、流体の中の個々の粒子の座標を基に物理量が記述されます。オイラー記述は主に流れ場全体の挙動を捉えるのに適しており、ナビエ・ストークス方程式ではこの方法が使用されます。

まとめ

オイラー記述に基づくナビエ・ストークス方程式は、流体力学の中でも重要な方程式の一つです。流体の運動を記述するためには、オイラー記述に基づいた運動方程式を理解することが必要です。粘性流体の挙動を数学的に表現するために、ナビエ・ストークス方程式を使うことで、流体の動きの詳細な解析が可能になります。

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