ポートフォリオ理論は、複数の資産を組み合わせることでリスクを分散し、期待収益を最大化することを目的としています。この記事では、ポートフォリオの期待収益率、標準偏差、最小分散ポートフォリオの計算方法について解説します。
①ポートフォリオの期待収益率の計算
ポートフォリオの期待収益率は、各資産の期待収益率とその投資比率を使って計算します。以下のデータが与えられています。
- 資産A: 期待収益率 5%、標準偏差 10%
- 資産B: 期待収益率 7.5%、標準偏差 10%
- 相関関係 0.2
- 資産Aに0.5、資産Bに0.5単位投資
ポートフォリオの期待収益率は次の式で求めます。
ポートフォリオの期待収益率 = wA × rA + wB × rB
ここで、wA は資産Aの投資比率、wB は資産Bの投資比率、rA と rB はそれぞれの資産の期待収益率です。したがって、期待収益率は次のように計算されます。
期待収益率 = 0.5 × 5% + 0.5 × 7.5% = 6.25%
②ポートフォリオ収益率の標準偏差の計算
ポートフォリオ収益率の標準偏差は、個々の資産の標準偏差と相関関係を考慮して計算します。ポートフォリオの標準偏差は以下の式で求められます。
ポートフォリオの標準偏差 = √(wA² × σA² + wB² × σB² + 2 × wA × wB × σA × σB × ρ)
ここで、σA と σB は各資産の標準偏差、ρ は相関関係です。与えられた値を代入して計算します。
ポートフォリオの標準偏差 = √(0.5² × 10² + 0.5² × 10² + 2 × 0.5 × 0.5 × 10 × 10 × 0.2) ≈ 7.07%
③最小分散ポートフォリオの計算
最小分散ポートフォリオでは、ポートフォリオのリスク(標準偏差)を最小化するために最適な資産の比率を計算します。最小分散ポートフォリオの比率は次の式で求めます。
wA = (σB² – ρ × σA × σB) / (σA² + σB² – 2 × ρ × σA × σB)
この式に与えられた値を代入して計算します。
wA = (10² – 0.2 × 10 × 10) / (10² + 10² – 2 × 0.2 × 10 × 10) = 0.6
したがって、最小分散ポートフォリオにおける資産Aの比率は60%、資産Bの比率は40%です。
まとめ
ポートフォリオ理論における期待収益率、標準偏差、最小分散ポートフォリオの計算方法について解説しました。これらの計算は、ポートフォリオのリスクとリターンを管理し、最適な投資戦略を立てるために重要です。実際の投資においてこれらの計算を応用することで、より効率的な資産運用が可能になります。
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