地球のエネルギー収支(熱収支)は、地球が受け取るエネルギーと放射するエネルギーとのバランスによって決まります。この問題では、地球のエネルギー収支に関するいくつかの記述の中から最も妥当なものを選ぶことが求められています。この記事では、各選択肢について詳しく解説し、正しい選択肢を見つけるためのポイントを紹介します。
問題の選択肢を見てみましょう
まずは、各選択肢を一つずつ見ていきましょう。
- 1. 太陽から宇宙に放出されている電磁波を太陽放射といい、太陽放射の放射エネルギーは赤外線の部分にピークがある。
- 2. 単位時間に地球全体が受ける太陽放射エネルギーの量は、太陽定数に地球の表面積をかけた量である。
- 3. 地球が吸収する太陽放射エネルギーの量は、地球が宇宙空間に放射するエネルギーの量よりも多い。
- 4. 地球表面から放射されるエネルギーは、水蒸気や二酸化炭素には吸収されるが、メタンには吸収されない。
- 5. 現在の地球表面の平均温度は約15℃であるが、大気に温室効果ガスがなければ、地球表面の平均温度は氷点下まで下がると考えられている。
1. 太陽放射のピークが赤外線にあるか?
太陽放射の放射エネルギーのピークは、実際には可視光線の部分にあります。したがって、1番の選択肢は誤りです。
2. 太陽放射エネルギーの量と地球の表面積
地球が受ける太陽放射エネルギーの量は、太陽定数と地球の表面積を掛け合わせたものです。この選択肢は正しいです。
3. 地球の吸収する太陽放射エネルギーの量
地球は、太陽からのエネルギーを吸収し、その一部を宇宙に放射します。地球が吸収するエネルギーの量は、放射するエネルギーと均衡を保っており、吸収量が放射量よりも多いわけではありません。したがって、3番は誤りです。
4. 地球表面から放射されるエネルギーの吸収
地球表面から放射されるエネルギーは、主に水蒸気や二酸化炭素、メタンなどの温室効果ガスによって吸収されます。メタンも温室効果ガスの一部であり、放射エネルギーを吸収します。したがって、4番は誤りです。
5. 温室効果ガスがない場合の地球の温度
温室効果ガスがない場合、地球表面の温度は氷点下に下がります。これは正しい記述です。
まとめ
上記の検討を通じて、最も妥当な選択肢は「2. 単位時間に地球全体が受ける太陽放射エネルギーの量は、太陽定数に地球の表面積をかけた量である。」です。この選択肢が正しい理由は、太陽定数と地球の表面積を掛け合わせた量が、地球が受け取る太陽放射エネルギーの量に一致するためです。
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