複素数平面における偏角の定義域の違い

数学

複素数平面での偏角(θ)は、複素数の極形式で非常に重要な役割を果たします。偏角にはいくつかの定義があり、特に「0≦θ<2π」と「-π<θ≦π」の2つの範囲がよく使われます。これらの定義域における違いについて詳しく説明します。

複素数の極形式と偏角

複素数は極形式で表現することができます。極形式とは、複素数を「r(cosθ + isinθ)」または「r∠θ」の形で表したものです。ここで、rは複素数の絶対値(模)、θは偏角(複素数の引き角)を示します。

定義域「0≦θ

この範囲では、偏角θは0から2πの間の値を取ります。複素数の偏角がこの範囲で定義されていると、複素数の角度は常に正の方向から計測され、円周を1周する範囲で角度を表現することができます。この範囲の利点は、全ての複素数が1回の回転で表現されるため、角度の取り扱いが簡潔になります。

定義域「-π

この範囲では、偏角θは-πからπの間の値を取ります。つまり、複素数の引き角は負の方向でも計測され、360度を超える回転を避けることができます。この定義域を使うことで、偏角は最小限の範囲で表現され、角度の「重複」を避けることができます。

それぞれの使い分け

「0≦θ<2π」の範囲を使う場合は、角度の連続性が重視されます。円周上で全ての角度を1回転で表現したい場合に有効です。一方、「-π<θ≦π」の範囲を使う場合は、角度をよりコンパクトに表現したいときに適しています。特に、負の角度を使うことによって、数学的な操作がシンプルになります。

まとめ

複素数平面における偏角の定義域の違いは、角度をどのように扱うか、またどの範囲で角度を表現するかに影響を与えます。「0≦θ<2π」と「-π<θ≦π」のそれぞれには利点があり、使用する状況に応じて使い分けることが重要です。

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