絶対値を含む不等式の解法:場合分けと符号の処理

高校数学

絶対値を含む不等式を解くとき、場合分けをすることが必要です。しかし、符号の処理や範囲の設定に迷うことがあります。この記事では、問題「|x+1|+|x-3|=6」を例に、絶対値を含む不等式の解法方法を詳しく解説します。

絶対値を含む不等式の基本的な考え方

絶対値を含む不等式を解く際には、式の中で「絶対値」をどう扱うかがポイントです。絶対値は、その中身が正の数の場合はそのまま、負の数の場合は符号を反転して正の数にするという性質を持っています。

例えば、式 |x + 1|+|x – 3| = 6 の場合、絶対値の中身が正の数か負の数かで場合分けが必要です。これを「場合分けの法則」と呼びます。

場合分けの3つのケース

絶対値を含む式を解くためには、次の3つのケースを考えます。

  • どちらも正の数:x + 1 ≥ 0, x – 3 ≥ 0 のとき
  • どちらも負の数:x + 1 < 0, x - 3 < 0 のとき
  • 一方が正、もう一方が負の数:x + 1 ≥ 0, x – 3 < 0 または x + 1 < 0, x - 3 ≥ 0 のとき

「どちらも正の数」の場合

まず、「どちらも正の数」の場合を考えます。これは、x + 1 ≥ 0 および x – 3 ≥ 0 が成り立つ場合です。したがって、x ≥ -1 かつ x ≥ 3 の条件が必要です。これにより、x ≥ 3 という条件が得られます。

そのため、x > 3 という解を得ることができ、実際には「x ≧ 3」が模範解答となります。

「どちらも負の数」の場合

次に、「どちらも負の数」の場合を考えます。x + 1 < 0 および x - 3 < 0 が成り立つ場合です。これにより、x < -1 かつ x < 3 の条件が必要です。したがって、x < -1 という解を得ることができます。

この場合は、模範解答と一致し、x < -1 という条件が導かれます。

「一方が正、もう一方が負の数」の場合

最後に、「一方が正で、もう一方が負の数」の場合を考えます。この場合、x + 1 ≥ 0 および x – 3 < 0 の場合、または x + 1 < 0 および x - 3 ≥ 0 の場合があります。

1つ目の場合では、x ≥ -1 および x < 3 の範囲が求まります。2つ目の場合では、x < -1 および x ≥ 3 の範囲が求まります。

そのため、最終的に解は -1 ≦ x < 3 となり、x ≧ -1 および x < 3 という範囲になります。この時、解の範囲が変わるため、「-1 ≦ x < 3」が模範解答となります。

まとめ

絶対値を含む不等式を解く際には、場合分けが重要です。各場合について符号を正しく処理し、範囲を適切に設定することが解法の鍵となります。今回の問題「|x + 1| + |x – 3| = 6」の場合分けを行うことで、解が「x ≧ -1 および x < 3」であることがわかりました。このように、正しい符号処理を行うことで、数学の問題を解決することができます。

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