結晶学における逆格子は、結晶構造の理解において重要な概念です。逆格子ベクトルは、結晶の周期性を反映しており、格子面の位置や性質に深い関係があります。特に、逆格子ベクトルが格子面(hkl)と垂直であることは、結晶学でよく用いられる性質です。本記事では、この関係を証明する方法について詳しく説明します。
逆格子ベクトルと格子面の垂直性
まず、結晶格子の基本ベクトル
任意の整数h, k, lに対して、逆格子ベクトルKは次のように表されます。
K = h*b1 + k*b2 + l*b3
ここで、逆格子ベクトルKが格子面(hkl)と垂直であることを示すために、ベクトルの内積を使います。結晶学では、格子面の法線ベクトルは、その面に垂直な方向を示します。この法線ベクトルは、格子面の指標(hkl)に対応するベクトルと一致します。
内積を使った証明
逆格子ベクトルKと格子面(hkl)の法線ベクトルとの内積が0であることを確認します。この内積がゼロであれば、Kは(hkl)面に垂直であることが証明されます。
格子面(hkl)に対応する法線ベクトルは
n = h*a1 + k*a2 + l*a3
したがって、逆格子ベクトルKとの内積を計算すると、次のようになります。
K・n = (h*b1 + k*b2 + l*b3) ・ (h*a1 + k*a2 + l*a3)
この内積がゼロであれば、Kとnは垂直であり、したがって逆格子ベクトルKは格子面(hkl)に垂直であることが示されます。
結論
このように、逆格子ベクトルK = h*b1 + k*b2 + l*b3は、格子面(hkl)の法線ベクトルと内積がゼロになるため、(hkl)面と垂直であることが証明されました。結晶学においては、この性質を利用して、結晶構造の解析やX線回折のデータ解析などが行われます。
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