確率問題の解説:リンゴ、オレンジ、レモンを1個ずつ選ぶ確率の求め方

高校数学

「袋の中からリンゴ、オレンジ、レモンを1個ずつ選ぶ確率」という問題に関する疑問を解決するために、確率の基本的な考え方を再確認し、なぜ単純な確率の掛け算だけでは答えが出ないのかを解説します。

確率の基本的な考え方

確率とは、ある事象が起こる可能性を数値で表したものです。例えば、コインを1回投げるとき、表が出る確率は1/2です。確率の計算は、次の2つの考え方に基づいています。

  • ある事象が起こる場合の数
  • 起こり得る全ての事象の数

これを元に、問題を解くためにはまず「起こり得る全ての事象」と「求めたい事象」を明確にする必要があります。

問題の設定

袋の中にリンゴ5個、オレンジ4個、レモン3個が入っているという問題です。この中から3個を選び、その中にリンゴ1個、オレンジ1個、レモン1個を含む確率を求めたいという質問です。

最初に、全体の果物の数を求めましょう。リンゴ5個、オレンジ4個、レモン3個を合わせると、合計で12個の果物が入っていることになります。この12個の中から3個を選ぶことになります。

なぜ掛け算だけでは答えが出ないのか

質問者が提案した「5/12 × 4/11 × 3/10」という掛け算では、確かにリンゴ、オレンジ、レモンを1個ずつ選ぶ確率を計算するように見えます。しかし、これは誤りです。この方法だと、順番に果物を選ぶ場合の確率は計算できますが、順番を考慮していないため、全体の確率が正しく求められません。

例えば、リンゴ、オレンジ、レモンの順番に選ぶ場合の確率は、このように計算できますが、順番に依存しない確率を求めるためには、組み合わせ(C)を使って、選ぶ順番を無視した計算を行う必要があります。

組み合わせを使った正しい確率の求め方

正しい確率を求めるためには、まず「組み合わせ」を使って、果物を選ぶ方法の総数を計算します。3個を選ぶ方法は、次のように計算できます。

12個の果物から3個を選ぶ方法は、組み合わせを使って計算すると、
C(12, 3) = 12 × 11 × 10 / (3 × 2 × 1) = 220 通りです。

次に、リンゴ1個、オレンジ1個、レモン1個を選ぶ方法を計算します。リンゴ、オレンジ、レモンからそれぞれ1個を選ぶ方法は、
C(5, 1) × C(4, 1) × C(3, 1) = 5 × 4 × 3 = 60 通りです。

この場合、求めたい確率は、選んだ方法の数を全体の選び方の数で割ることで求めます。したがって、確率は次のようになります。

確率 = 60 / 220 = 3 / 11

まとめ:確率の計算方法

リンゴ、オレンジ、レモンを1個ずつ選ぶ確率を求める問題では、単純な掛け算だけではなく、組み合わせを使って順番に依存しない方法で計算を行うことが必要です。正しい確率は、組み合わせの計算を使って求めることができます。

確率の問題では、事象がどのように起こるかをよく考え、必要な情報を正しく整理して計算することが大切です。

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