集合の差と積、和について、ある等式が成り立つことを証明する問題がよく出題されます。今回は、「A \ (B ∩ C) = (A \ B) ∪ (A \ C)」の式について、集合が等しいことの定義に基づいて証明する方法を解説します。
集合の定義と記号の確認
まず、この証明において使用される基本的な集合の定義を確認しておきましょう。
集合A、B、Cが与えられたとき、A \ Bは「Aの中でBに含まれない要素から成る集合」を意味します。また、B ∩ CはBとCの共通部分を、B ∪ CはBとCの和集合を示します。
A \ (B ∩ C)の意味
次に、A \ (B ∩ C)の意味について考えます。これは、集合AからBとCの共通部分を取り除いた集合を意味します。すなわち、Aの中でBとCの両方に含まれない要素から成る集合です。
これを式で書くと、「A \ (B ∩ C) = {x | x ∈ A かつ x ∉ (B ∩ C)}」となります。ここで重要なのは、xがAに属し、かつBとCの両方に含まれないという点です。
(A \ B) ∪ (A \ C)の意味
次に、(A \ B) ∪ (A \ C)の意味を考えます。この式は、AからBに含まれない要素と、AからCに含まれない要素の和集合です。すなわち、Aの中でBに含まれない要素とCに含まれない要素を集めた集合です。
式で書くと、「(A \ B) ∪ (A \ C) = {x | x ∈ A かつ x ∉ B} ∪ {x | x ∈ A かつ x ∉ C}」となります。つまり、Aの中でBまたはCのいずれかに含まれない要素がこの集合に含まれます。
集合が等しいことの証明
集合が等しいためには、両辺の集合が同じ要素を持っていることを示さなければなりません。ここでは、A \ (B ∩ C)と(A \ B) ∪ (A \ C)の両方に含まれる要素が一致することを示します。
まず、A \ (B ∩ C)の要素は、Aに含まれていて、かつBとCの共通部分には含まれない要素です。この要素は、AからBに含まれないか、Cに含まれないかのいずれかであるため、(A \ B)または(A \ C)に含まれることがわかります。
逆に、(A \ B) ∪ (A \ C)の要素は、Aに含まれ、かつBまたはCに含まれない要素です。この要素は、A \ (B ∩ C)に含まれることが確認できます。
まとめ
「A \ (B ∩ C) = (A \ B) ∪ (A \ C)」の証明は、集合の定義を元にして、両辺が同じ要素を持つことを示すことで成り立ちます。集合の差と積、和の関係をしっかり理解し、それを証明に活かすことが重要です。
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