三相4線式230/400V 58kWの容量に適したMCCB4Pブレーカー選定方法

工学

三相4線式の電力設備において、適切なMCCB4P(モールドケースサーキットブレーカー)を選定することは、設備の安全性と効率を確保するために非常に重要です。特に、230/400V、58kWの容量を持つ設備において、ブレーカーの定格電流を正確に選定する必要があります。本記事では、その選定方法について詳しく解説します。

三相4線式の電力設備とMCCB4Pの役割

三相4線式とは、3つの相線(L1、L2、L3)と1つの中性線(N)を使用した電力供給方式です。この方式では、各相における電圧のバランスが取れており、高い効率で電力が供給されます。MCCB4Pは、過電流や短絡などの異常時に回路を遮断し、機器や配線を保護する役割を果たします。

適切なMCCB4Pを選定することで、機器の損傷を防ぎ、過剰な電流から保護することができます。

58kWの容量に必要な電流を計算する

58kWの容量における必要な電流は、以下の式で計算できます。まず、定格容量を電圧で割って、1相あたりの電流を求めます。三相回路の場合、以下の公式を使います。

I = P / (√3 × V × pf)

ここで、Iは電流(アンペア)、Pは出力(ワット)、Vは相間電圧(V)、pfは力率(通常0.8と仮定します)です。

例えば、58kWの設備で力率が0.8の場合、次のように計算します。

I = 58000 / (√3 × 400 × 0.8) ≈ 100A

この計算により、58kWの設備に必要な電流はおおよそ100Aとなります。

MCCB4Pの定格電流の選定基準

MCCB4Pの定格電流は、設備の最大負荷電流に基づいて選定する必要があります。一般的に、計算した電流の1.25倍程度を目安に選定することが多いです。これは、突発的な電流の増加や、始動時のインラッシュ電流を考慮したものです。

したがって、100Aの電流に対しては、以下のように定格電流を選定します。

選定電流 = 100A × 1.25 = 125A

この場合、定格電流125AのMCCB4Pブレーカーを選定するのが適切です。

まとめ:MCCB4Pの適切な選定方法

三相4線式の230/400V、58kWの容量に対して適切なMCCB4Pブレーカーを選定するためには、必要な電流を計算し、通常の負荷に加えて突発的な電流の増加も考慮することが重要です。計算によって求められた電流をもとに、1.25倍程度の余裕を持った定格電流を選定することが、設備を安全に運用するためのポイントとなります。

以上の方法で、必要なMCCB4Pブレーカーを正確に選定し、適切な保護を行いましょう。

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