シュワルツの不等式の証明と判別式の役割について解説

大学数学

シュワルツの不等式は線形代数や解析学で非常に重要な不等式です。この証明の途中で登場する判別式の使い方について、どのように役立つのか、またその意味を理解することが重要です。この記事では、シュワルツの不等式の証明過程と判別式を使う理由について詳しく解説します。

シュワルツの不等式とは

シュワルツの不等式は、内積空間で次の形で表されます:
|(a,b)| ≤ ||a|| ||b||

ここで、a と b はベクトル、||a|| と ||b|| はそれぞれのノルム(ベクトルの長さ)を表し、(a,b) は a と b の内積を表します。この不等式は、ベクトルの内積がそれらのノルムの積を超えることがないということを示しています。

証明の一部:t を使った式の展開

証明の初めに、次の式が与えられています。

||ta + b||^2 = (ta + b, ta + b) = t^2 (a,a) + 2t(a,b) + (b,b)

ここでは、t を実数として、まず左辺を平方して内積の形に展開しています。この式は、t を変数として扱い、後で判別式を使って不等式を証明します。

判別式 D の導入とその役割

次に登場するのが判別式 D です。この判別式は、t の2次式に関連する不等式を解くために使います。

D = (a,b)^2 – ||a||^2 ||b||^2

この式は、t の係数が含まれている2次式の判別式に相当します。判別式を使うことで、この式が常に0以上であることを示すことができ、最終的にシュワルツの不等式を証明します。

判別式を使う理由

判別式を使う理由は、2次式の解の存在や実数性を確認するためです。2次式の判別式が負であれば、実数解が存在せず、t の値に関係なく不等式が成立することを保証できます。この手法は、t に依存しない不等式を構築するのに非常に有効です。

シュワルツの不等式の結論

判別式が0以上であることから、最終的に次の不等式が導かれます。

(a,b)^2 ≤ ||a||^2 ||b||^2

この不等式がシュワルツの不等式の証明です。

まとめ

シュワルツの不等式の証明では、判別式を使うことでt の値によらず不等式が成立することを示すことができました。判別式は2次式の解の有無を確認するのに非常に有効で、特にこのような証明過程で役立ちます。判別式を使うことによって、問題がよりシンプルに解けることがわかりました。

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