外積の結果として上にベクトルができる理由

数学

ベクトルの外積は、2つのベクトルが作る平面に対して垂直な方向に新しいベクトルを生成する操作です。このとき、外積を取る順番や方向によって、新たに得られるベクトルの向きが決まります。質問にある「a→からb→に行く時上にベクトルができるのは何故か?」について、外積とその方向について詳しく説明します。

1. 外積の定義と計算方法

ベクトルの外積(クロス積)は、2つのベクトルa→とb→に対して、次のように計算されます。

  • a→ × b→ = |a→||b→|sin(θ) n→

ここで、|a→|と|b→|はそれぞれベクトルa→とb→の長さ、θは両ベクトルのなす角、n→はa→とb→の両方に垂直な単位ベクトルです。外積の結果として得られるベクトルn→は、a→とb→が作る平面に垂直な方向を持ちます。

2. 外積によるベクトルの向きの決定

外積の結果として得られるベクトルの向きは、右手の法則を使って決まります。右手の法則とは、右手の指をベクトルa→からb→に向けて曲げ、親指を上げたとき、親指の向きが外積で得られるベクトルの向きであるというものです。これにより、a→からb→に行く時に得られるベクトルの向きが上向きになることが分かります。

つまり、外積の結果として上にベクトルができるのは、a→からb→に向かって右手の法則を適用したときに親指が上向きになるからです。

3. 外積が生じる物理的意味

外積は、物理学でも非常に重要な役割を果たします。例えば、力と移動のベクトルに対して外積を取ると、回転の軸方向を示すベクトルが得られます。これが、モーメント(力のモーメント)や角運動量を計算する際に用いられる理由です。

外積によって得られるベクトルは、物理的には「回転軸」を示し、力や運動がどの方向に作用しているかを把握するための手がかりとなります。

4. 外積の計算例と実践的な応用

例えば、a→ = (2, 3, 0) と b→ = (1, 0, 4) の2つのベクトルの外積を求めると、次のように計算できます。

  • a→ × b→ = (3×4 – 0×0, 0×1 – 4×2, 2×0 – 3×1)
  • a→ × b→ = (12, -8, -3)

この計算結果から、外積の結果として得られるベクトルは(12, -8, -3)という向きを持つことが分かります。具体的なベクトルに対して外積を計算することで、得られるベクトルの方向を確認できます。

まとめ

外積を取ると、2つのベクトルが作る平面に垂直なベクトルが得られ、その向きは右手の法則によって決まります。「a→からb→に行く時上にベクトルができる」という現象は、右手の法則を使ってベクトルの向きを決定することで理解できます。外積は物理学における多くの現象を説明するために使用される基本的な操作です。

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