群論に関する問題で、位数と部分群の性質を理解することは非常に重要です。この記事では、次の2つの問題について解説します。
- aの位数がn(n<∞)のとき、k∈Zに対して a^k = e ⇔ k∈nZ を示す
- H⊂G(H≠∅, |H| < ∞)が x, y ∈ H ⇒ x・y ∈ H を満たすならば、Hは部分群であることを示す
それぞれの問題を詳しく解説し、証明の流れを理解できるように説明します。
問題1:aの位数がn(n
まず、aの位数がnであるとは、a^n = e(単位元)であり、aの最小の正の整数の冪がeであるという意味です。
この問題を証明するには、次の2つの方向を確認します。
- a^k = e ならば、kはnの倍数であることを示す
- kがnの倍数ならば、a^k = e であることを示す
まず、a^k = e だと仮定します。aの位数がnであるため、kはnの倍数でなければなりません。この部分は、a^kがeになるためには、kがnで割り切れる必要があるということを示します。
次に、kがnの倍数だと仮定して、a^k = e を示します。ここでは、k = mn(m∈Z)とし、a^k = a^(mn) = (a^n)^m = e^m = e となります。これにより、kがnの倍数であればa^k = eが成り立つことがわかります。
問題2:H⊂G が x, y ∈ H ⇒ x・y ∈ H を満たすならば H は部分群であることの証明
次に、HがGの部分群であることを証明します。部分群の定義には、次の3つの条件が必要です。
- HはGの単位元eを含む
- H内の任意の2つの元の積がHに含まれる(閉包性)
- H内の任意の元の逆元がHに含まれる
まず、Hが単位元eを含むことを示します。Gの単位元は常にGに含まれるので、Hも単位元eを含むことになります。
次に、H内の元の積がHに含まれることを確認します。問題の条件により、x, y ∈ H ならば x・y ∈ H が成り立ちます。これにより、Hは閉じていることがわかります。
最後に、H内の元の逆元がHに含まれることを示します。x ∈ H ならば、xの逆元x^(-1)もHに含まれる必要があります。x・x^(-1) = e であり、eはHに含まれるため、x^(-1)もHに含まれます。
まとめ:部分群の定義と証明
このようにして、H⊂G が x, y ∈ H ⇒ x・y ∈ H を満たすならば、Hは部分群であることが証明されました。部分群の条件を一つずつ満たすことにより、HがGの部分群であることが確認できました。
また、aの位数がnの場合の証明では、a^k = e ⇔ k ∈ nZ の関係を示しました。このような群論の基本的な性質を理解することは、より複雑な問題を解くために非常に役立ちます。
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