二次極座標系におけるラプラシアンの導出:er(∂er/∂r)が0になる理由

物理学

大学物理の力学で、二次極座標系におけるラプラシアンの導出過程において「er(∂er/∂r)」という項が現れますが、教授によるとこれが0になると言われています。この質問について、なぜこの項が0になるのかを物理学的な観点から解説します。

ラプラシアンとは?

ラプラシアンは、空間内のスカラー場の変化率を表す演算子です。直交座標系では、ラプラシアンは簡単に表現できますが、極座標系や二次極座標系などの曲線座標系では、表現が少し複雑になります。ラプラシアンは、場の変化を詳細に理解するために、物理学、特に電磁気学や流体力学などの分野で広く利用されます。

二次極座標系では、ラプラシアンは以下のように表されます。

∆ = (1/r) ∂/∂r (r ∂/∂r) + (1/r²) ∂²/∂φ²

ここで、rとφはそれぞれ半径と角度を示し、位置ベクトルer、eφがそれぞれr軸とφ軸に沿った単位ベクトルです。ラプラシアンを導出する際には、これらのベクトルに関する項を慎重に扱う必要があります。

er(∂er/∂r)の項が0になる理由

次に、なぜ「er(∂er/∂r)」が0になるのかを考えます。まず、erはr軸方向の単位ベクトルであり、rの方向を常に指し示します。二次極座標系では、erはrの位置に依存して方向を変えますが、長さは常に1です。

rに関しての微分を行うと、∂er/∂rは「erがrに依存していないため」0になります。具体的には、erの長さは常に1であり、方向がrの変化に対して変わるわけではありません。このため、erの微分は0となり、結果として「er(∂er/∂r)」も0になります。

実際の計算過程

ラプラシアンを二次極座標系で求める際、最初にrとφに関する項に分けて考えます。まず、rに関する項は、座標系における位置ベクトルerが微分されることによって表されますが、erの長さが1で方向がrに依存しないため、微分結果は0となります。

その後、角度方向(φ)に関する項が現れますが、これも独立して計算されるため、erに関連する項は完全に消失します。このように、er(∂er/∂r)が0になることは、ラプラシアンを求める際に重要な役割を果たし、計算が簡単になる一因となります。

まとめ:er(∂er/∂r)が0になる理由

二次極座標系でラプラシアンを導出する際、「er(∂er/∂r)」が0になるのは、erがrに依存することなく、常に長さが1であるためです。これは、erの方向がrの変化に対して変わらないため、微分結果が0になることから導かれます。

この特性を理解することで、ラプラシアンの導出がより簡単になり、物理学的な問題を解く際に役立つ重要な知識となります。

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