マクローリン展開は、関数を無限級数として表す方法で、特に微積分でよく利用されます。この記事では、関数 1/(1-3x+2x²) をマクローリン展開できることを示す方法を解説します。マクローリン展開を理解することは、関数の近似や解析に役立つ重要な技術です。
マクローリン展開とは?
マクローリン展開とは、ある関数 f(x) を x=0 周りで展開することを意味します。具体的には、次の無限級数で関数を表現します。
f(x) = f(0) + f'(0)x + f''(0)/2! x² + f'''(0)/3! x³ + ...
ここで、f(0) は関数の定数項、f'(0) は一階微分の x=0 での値、f”(0) は二階微分の x=0 での値、というように、関数の各階微分を x=0 で求めて、級数の各項を決定します。
1/(1-3x+2x²) のマクローリン展開の準備
まず、この関数をマクローリン展開するために、関数を適切な形に変形する必要があります。1/(1-3x+2x²) の形式を見ると、分母が多項式であることがわかります。そこで、分母を適切に整理し、級数展開を適用しやすい形にします。
関数を以下のように書き換えることができます。
f(x) = 1 / (1 - (3x - 2x²))
これにより、1/(1-u) の形に似ていることがわかります。この形では、マクローリン展開を利用することができます。
1/(1 – u) のマクローリン展開
一般的に、関数 1/(1-u) のマクローリン展開は次のように書けます。
1 / (1 - u) = 1 + u + u² + u³ + ...
この式は |u| < 1 の範囲で成り立ちます。今回の場合、u = 3x - 2x² となるので、この式を適用することができます。
したがって、1/(1 – (3x – 2x²)) のマクローリン展開は次のように書けます。
1 / (1 - (3x - 2x²)) = 1 + (3x - 2x²) + (3x - 2x²)² + (3x - 2x²)³ + ...
これが、1/(1-3x+2x²) のマクローリン展開の開始形です。
マクローリン展開を実際に計算する
次に、具体的にいくつかの項を計算してみましょう。まず、(3x – 2x²) の一項目はそのままで 3x – 2x² です。
次に、二項目は (3x – 2x²)² を計算します。
(3x - 2x²)² = 9x² - 12x³ + 4x⁴
この項を級数に加えます。続いて、三項目を計算します。
(3x - 2x²)³ = 27x³ - 54x⁴ + 36x⁵
このようにして、無限級数の各項を展開していきます。展開の過程を続けることで、より高次の項を計算し、関数の近似を得ることができます。
まとめ
関数 1/(1-3x+2x²) のマクローリン展開は、まず関数を適切な形に変形し、次に 1/(1-u) のマクローリン展開を利用して展開を進めます。これにより、無限級数として関数を近似することができます。今回の例を通じて、マクローリン展開の基本的な考え方と手法を理解することができるでしょう。
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