化学反応におけるモル計算は、反応物と生成物の関係を理解するために不可欠です。エタン(C₂H₆)、メタン(CH₄)、そしてプロパン(C₃H₈)の完全燃焼におけるモル計算を行い、水の生成量や必要な酸素量を求める方法を解説します。
エタン(C₂H₆)の完全燃焼で発生する水の量
エタンの完全燃焼反応は次のように表されます:
C₂H₆ + 7O₂ → 4CO₂ + 6H₂O
反応式から、1モルのエタンが燃焼することで6モルの水(H₂O)が生成されることがわかります。エタンのモル質量は30g/molであるため、5.8gのエタンは次のように計算できます。
5.8g ÷ 30g/mol = 0.1933 mol(エタンのモル数)
このエタンから生成される水のモル数は、反応式に基づき、0.1933 mol × 6 = 1.16 molの水です。水のモル質量は18g/molなので、生成される水の質量は。
1.16 mol × 18g/mol = 20.88g
メタン(CH₄)の燃焼に必要な酸素量
メタンの完全燃焼反応は次の通りです:
CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O
メタンのモル質量は16g/molです。4.0gのメタンを燃焼させるために必要な酸素量を求めるには、次のように計算します。
4.0g ÷ 16g/mol = 0.25 mol(メタンのモル数)
反応式から、メタン1モルあたり2モルの酸素が必要です。したがって、0.25 molのメタンに必要な酸素は。
0.25 mol × 2 = 0.5 molの酸素です。
酸素のモル質量は32g/molですが、酸素の体積を求めるためには、標準状態(0°C、1atm)で1モルの気体が22.4Lの体積を持つことを利用します。
0.5 mol × 22.4 L/mol = 11.2Lの酸素が必要です。
プロパン(C₃H₈)の燃焼で得られる水のモル数と体積
プロパンの完全燃焼反応は次の通りです:
C₃H₈ + 5O₂ → 3CO₂ + 4H₂O
プロパンのモル質量は44g/molです。13.2gのプロパンを燃焼させる場合、まずそのモル数を求めます。
13.2g ÷ 44g/mol = 0.3 mol(プロパンのモル数)
反応式から、1モルのプロパンが燃焼することで4モルの水が生成されます。したがって、0.3 molのプロパンから生成される水のモル数は。
0.3 mol × 4 = 1.2 molの水です。
水のモル質量は18g/molなので、得られる水の質量は。
1.2 mol × 18g/mol = 21.6gです。
水は気体として生成される場合、標準状態で1モルが22.4Lの体積を占めるため、1.2 molの水蒸気の体積は。
1.2 mol × 22.4 L/mol = 26.88Lの水蒸気が得られます。
まとめ:モル計算を使った化学反応の理解
エタン、メタン、プロパンの燃焼におけるモル計算を通じて、化学反応で生成される水の量や必要な酸素量を計算する方法を学びました。これらの計算は、化学反応の理解を深め、物質の変化を定量的に把握するために非常に重要です。
化学反応を解く際は、まず反応式を確認し、モル数や質量比を利用して計算を行うことが基本となります。このような知識は、化学の学習や実験において非常に役立つスキルとなるでしょう。
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