絶対値の不等式の解法:場合分けの方法と実例解説

高校数学

絶対値を含む不等式の解法には場合分けが必要ですが、その過程を理解することが少し難しいかもしれません。この記事では、絶対値を含む2つの不等式を具体的に解きながら、場合分けの方法をわかりやすく解説します。

絶対値の不等式とは?

絶対値とは、数値の大きさを表すもので、負の数も正の数もその絶対値は同じです。例えば、|−3| = 3 であり、|3| = 3 です。絶対値の不等式を解く際は、絶対値が何を意味しているかを正確に理解し、その不等式に適切な場合分けを行うことが重要です。

①|x+2|>|3x−9|の不等式の解法

この不等式を解くためには、まず両辺の絶対値を取り扱うために場合分けを行います。

1. まず、x+2 と 3x−9 の符号を考えます。x の値によって、両辺の式が正か負かが異なるため、x の値に応じて場合分けを行います。

2. 次に、場合分けをしてそれぞれのケースに対して不等式を解きます。

(場合1) x + 2 ≥ 0 と 3x − 9 ≥ 0 の場合。

この場合、不等式は x + 2 > 3x − 9 となります。これを解くと x < 5 という解が得られます。

(場合2) x + 2 ≥ 0 と 3x − 9 < 0 の場合。

この場合、不等式は x + 2 > −(3x − 9) となります。これを解くと x > −1 という解が得られます。

(場合3) x + 2 < 0 と 3x − 9 ≥ 0 の場合。

この場合、不等式は −(x + 2) > 3x − 9 となります。これを解くと x < −5 という解が得られます。

(場合4) x + 2 < 0 と 3x − 9 < 0 の場合。

この場合、不等式は −(x + 2) > −(3x − 9) となります。これを解くと x > −1 という解が得られます。

②|x−1|<|4x|−6の不等式の解法

次に、②の不等式を解きます。こちらも絶対値の符号を考えながら、場合分けを行います。

1. まず、x−1 と 4x の符号を考えます。x の値によって、両辺の式が正か負かが異なります。

(場合1) x − 1 ≥ 0 と 4x ≥ 0 の場合。

この場合、不等式は x − 1 < 4x − 6 となります。これを解くと x > −5/3 という解が得られます。

(場合2) x − 1 ≥ 0 と 4x < 0 の場合。

この場合、不等式は x − 1 < −(4x − 6) となります。これを解くと x < −5/3 という解が得られます。

(場合3) x − 1 < 0 と 4x ≥ 0 の場合。

この場合、不等式は −(x − 1) < 4x − 6 となります。これを解くと x < 1/5 という解が得られます。

(場合4) x − 1 < 0 と 4x < 0 の場合。

この場合、不等式は −(x − 1) < −(4x − 6) となります。これを解くと x > 1/5 という解が得られます。

場合分けを正確に行うためのポイント

絶対値を含む不等式では、まず絶対値の中身の式が正か負かを確認することが最初のステップです。その後、それぞれの場合において不等式を解きます。

場合分けは少し複雑ですが、各場合の解を求めていくと、最終的な解が得られます。解の範囲を整理し、どの範囲が解になるかを明確にすることが重要です。

まとめ

絶対値を含む不等式を解く際は、まず絶対値の中身が正か負かを考え、その後に場合分けを行います。場合分けを丁寧に行うことで、正確な解を求めることができます。今回の2つの不等式を解く方法を理解することで、絶対値の不等式の解法がよりわかりやすくなるでしょう。

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