化学平衡に関する問題では、反応ギブズエネルギーを計算する際に、反応商Qを正しく求めることが重要です。この問題では、NH3の標準生成ギブズエネルギーと、与えられた分圧に基づいて反応ギブズエネルギーを求める方法を解説します。
反応ギブズエネルギーの計算式
反応ギブズエネルギーは以下の式で計算できます。
ΔrG = ΔrG(0) + RT ln(Q)
ここで、ΔrG(0)は標準反応ギブズエネルギー、Rは気体定数(8.314 J/mol·K)、Tは絶対温度(K)、Qは反応商です。この式を使うことで、標準反応ギブズエネルギーから、実際の条件下での反応ギブズエネルギーを求めることができます。
反応商Qの求め方
反応商Qは、化学反応の各成分の分圧や濃度に基づいて求めます。問題文における反応式は以下の通りです。
N2(g) + 3H2(g) ⇌ 2NH3(g)
反応商Qは、この反応式に従って、各成分の分圧を指数にしたものです。具体的には、以下の式を使用します。
Q = (P_NH3^2) / (P_N2 * P_H2^3)
ここで、P_NH3, P_N2, P_H2はそれぞれNH3, N2, H2の分圧です。問題で与えられた分圧は以下の通りです。
- P_NH3 = 4.0 bar
- P_N2 = 3.0 bar
- P_H2 = 1.0 bar
これらの値を代入してQを計算します。
Q = (4.0^2) / (3.0 * 1.0^3) = 16 / 3 = 5.33
反応ギブズエネルギーの計算
次に、反応ギブズエネルギーを求めます。標準生成ギブズエネルギーΔrG(0)は-16.5 kJ/molと与えられており、Tは298 Kです。気体定数Rは8.314 J/mol·Kですが、単位を合わせるためにkJ/mol·Kに変換します。R = 0.008314 kJ/mol·Kです。
ΔrG = ΔrG(0) + RT ln(Q)
ΔrG = -16.5 kJ/mol + (0.008314 kJ/mol·K * 298 K * ln(5.33))
ΔrG = -16.5 kJ/mol + (0.008314 * 298 * 1.676) ≈ -16.5 kJ/mol + 4.17 kJ/mol
ΔrG ≈ -14.33 kJ/mol
この計算から、反応ギブズエネルギーはおおよそ-14.4 kJ/molとなり、模範解答と一致します。
まとめ
化学平衡の問題では、反応ギブズエネルギーを求める際に、正しい反応商Qを計算することが重要です。この問題では、与えられた分圧を使って反応商を求め、その後にギブズエネルギーの計算を行いました。反応商Qの求め方とその後の計算の流れをしっかりと理解することが、問題解決の鍵となります。
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