多項式の割り算において、余りを求めるために合同式(mod)を使用する方法は非常に有効です。特に、問題にあるように多項式P(x)を(x-2)や(x+3)で割った余りから、(x+3)(x-2)で割った余りを求める場合に合同式がどのように役立つかについて解説します。
合同式とは?
合同式(mod)は、整数や多項式を割り算する際に、余りを求めるための手法です。例えば、P(x) ≡ -7 (mod x + 3)という式は、「P(x)をx + 3で割った余りが-7である」という意味です。合同式は、多項式の割り算において余りを効率的に求めるために使用されます。
合同式は、数式の簡略化や計算の効率化に非常に有用な道具です。
与えられた条件から元の多項式の情報を得る
まず、問題にある条件を整理します。
– P(x)をx – 2で割った余りは8。
– P(x)をx + 3で割った余りは-7。
これらの条件を合同式で表すと次のようになります。
P(x) ≡ 8 (mod x – 2)
P(x) ≡ -7 (mod x + 3)
これらの合同式は、P(x)をx-2およびx+3で割ったときの余りを示しており、次にこれらの情報をもとに(x+3)(x-2)で割った余りを求めます。
多項式の余りの求め方
多項式P(x)を(x + 3)(x – 2)で割った余りを求めるために、中国の剰余定理(Chinese Remainder Theorem)を利用します。この定理では、異なるモジュールでの余りを用いて、1つの合同式を導くことができます。
まず、P(x)を(x + 3)(x – 2)で割った余りは、P(x)を(x + 3)と(x – 2)で割った余りの組み合わせで表されます。具体的には、P(x) ≡ 8 (mod x – 2) と P(x) ≡ -7 (mod x + 3) という情報を組み合わせて、P(x)を(x + 3)(x – 2)で割った余りを求めます。
中国の剰余定理を使って余りを求める方法
中国の剰余定理では、次のような式を利用します。
P(x) ≡ r (mod (x + 3)(x – 2))
ここで、rはP(x)を(x + 3)(x – 2)で割った余りです。これを求めるためには、まずP(x)がx – 2で割った余りが8であり、x + 3で割った余りが-7であることを組み合わせます。
このように、P(x) ≡ 8 (mod x – 2) と P(x) ≡ -7 (mod x + 3) という条件を満たす余りrが求められます。この方法により、多項式P(x)を(x + 3)(x – 2)で割った余りを効率的に求めることができます。
まとめ
合同式を使用することで、多項式の余りを効率的に計算することができます。P(x)をx – 2およびx + 3で割った余りを知っていれば、中国の剰余定理を利用して、(x + 3)(x – 2)で割った余りを求めることができます。合同式は多項式の割り算において非常に強力なツールであり、計算を簡略化するために有用です。
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