フーリエ級数は周期的な関数を三角関数の和として表現する方法です。この問題では、周期2πの関数f(x)のフーリエ級数を求める方法を解説します。具体的には、次の3つの関数について解説します。
- f(x) = x (-π < x < π)
- f(x) = x (0 < x < 2π)
- f(x) = x² (-π < x < π)
それぞれの関数のフーリエ級数を求める際のステップと考え方を順を追って説明します。
フーリエ級数とは?
フーリエ級数は、周期的な関数を三角関数の和として表す方法で、特に物理学や工学で広く用いられています。周期Tの関数f(x)は、次のように表すことができます。
f(x) = a₀ / 2 + Σ [aₙ cos(nωx) + bₙ sin(nωx)]
ここで、aₙとbₙはフーリエ係数で、ωは角周波数です。この方法を使って、関数がどのように三角関数の和に分解できるかを調べます。
問題1: f(x) = x (-π < x < π) のフーリエ級数
この関数は、−πからπの範囲で線形の関数です。フーリエ級数を求めるために、aₙとbₙの係数を計算します。
まず、フーリエ係数aₙとbₙは次のように定義されます。
aₙ = (1/π) ∫[−π, π] f(x) cos(nωx) dx
bₙ = (1/π) ∫[−π, π] f(x) sin(nωx) dx
f(x) = x に代入して計算します。これを実行すると、aₙは0であり、bₙはnに依存する式になります。結果として、f(x) = xのフーリエ級数は、sin関数の和として表せます。
問題2: f(x) = x (0 < x < 2π) のフーリエ級数
次に、0 < x < 2πの範囲で定義されたf(x) = xを考えます。この関数は線形ですが、定義域が異なります。
フーリエ級数を求める手順は、最初の問題と似ていますが、異なる定義域に基づいて計算を行います。aₙとbₙの計算を行うと、結果として関数は異なる係数を持つsinおよびcosの和として表現されます。
問題3: f(x) = x² (-π < x < π) のフーリエ級数
最後に、f(x) = x²のフーリエ級数を求めます。この関数は2次関数であり、−π < x < πの範囲で定義されています。
この場合も、aₙとbₙの計算を行います。f(x) = x²の場合、偶関数であるため、bₙは全て0になります。aₙの計算を行うと、cos関数のみの和として表されます。結果として、f(x) = x²のフーリエ級数は、cos関数の無限和として表されます。
まとめ
フーリエ級数を求める際には、関数を適切に区分して、その区間に対するフーリエ係数を計算することが重要です。各問題で得られる結果は、関数の性質や定義域に依存して異なりますが、基本的な手順は同じです。特に、線形関数や2次関数の場合は、それぞれ異なるフーリエ級数が得られます。これらの計算を行うことで、複雑な周期関数を三角関数の和として表現できることが理解できます。
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