測度論の基本:m(B) = 0ならば m(A\B) = m(A) の証明

大学数学

測度論の基本的な性質の一つに、集合の差に関する性質があります。今回は、m(B) = 0ならばm(A\B) = m(A)という命題の証明について解説します。測度論を理解するために重要なこの命題の証明を、わかりやすく説明します。

命題の設定

ここでは、AとBが測度論における集合であり、m(A)が集合Aの測度、m(B)が集合Bの測度を示しています。また、A\Bは集合Aから集合Bを引いた差集合を表しています。

命題の内容は、m(B) = 0ならば、m(A\B) = m(A)が成り立つというものです。まず、この命題を証明するために必要な基礎的な事実を確認しておきましょう。

測度の基本性質

測度にはいくつかの基本的な性質があります。特に重要なのは、次の2つの性質です。

  • 加法性: 測度は可算加法的です。すなわち、互いに素な集合の和集合の測度は、それらの集合の測度の和に等しくなります。
  • 測度0の集合: 測度が0である集合は、その集合がどんなに小さくても測度の合成で影響を与えないという特性があります。

証明の進め方

命題m(B) = 0ならばm(A\B) = m(A)を証明するために、まずAを次のように分解します。

A = (A\B) ∪ (A ∩ B)

ここで、(A\B)と(A ∩ B)は互いに素な集合です。したがって、加法性を使って次のように測度を分けることができます。

m(A) = m(A\B) + m(A ∩ B)

次に、m(B) = 0という仮定から、A ∩ Bの測度も0であることがわかります。なぜなら、A ∩ BはBの部分集合であり、Bの測度が0ならばその部分集合であるA ∩ Bも測度0でなければならないからです。

結論

したがって、m(A) = m(A\B) + m(A ∩ B) であり、m(A ∩ B) = 0 なので、最終的に次のように結論できます。

m(A) = m(A\B)

これにより、命題m(B) = 0ならばm(A\B) = m(A)が証明されました。

まとめ

今回の証明を通じて、測度論における加法性と測度0の集合の特性を利用して、集合の差に関する命題を証明しました。このような基本的な性質は、測度論の他の応用においても非常に重要な役割を果たします。

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