三菱電機 MELSEC iQ-Fシリーズを使用したPLC制御で、ロータリエンコーダを使用してモータの回転を制御する際に、高速カウンタ(SD4500)の値が反映されないという問題に直面することがあります。この記事では、その原因と対策について詳しく解説します。
1. 高速カウンタが反映されない原因
高速カウンタが反映されない原因として、以下の点が考えられます。
- 入力パラメータ設定の不備:PLCへの入力設定や高速カウンタのパラメータ設定が正しく行われていない場合、カウントが反映されないことがあります。
- ラインドライバの設定不備:ラインドライバからの出力信号が適切にオープンコレクタ出力に変換されていない場合、正確な信号がPLCに送信されません。
- 配線ミス:エンコーダからPLCへの接続が不完全である場合、カウントが反映されません。
- PLCの高速入出力パラメータ設定:GX Works3における高速入出力パラメータが正しく設定されていない可能性があります。
2. 可能な対策と確認手順
以下の手順で問題を解決するための確認を行いましょう。
- 入力パラメータ設定の確認:GX Works3で設定した高速入出力パラメータが正しく設定されているか再確認します。特に、HIOEN命令やDHCMOV命令の設定を見直しましょう。
- ラインドライバの出力確認:VCS07を使用してオープンコレクタ出力に変換したA相B相信号が、PLCに正しく入力されていることを確認します。
- 高速カウンタ設定の見直し:SD4500の設定を再確認し、正しいカウンタ入力が設定されているか確認します。
- 配線確認:エンコーダからPLCへの配線が正しく接続されているか、信号が途切れていないかをチェックします。
3. よくあるトラブルシューティングの手順
ここでは、最もよくあるトラブルとその解決方法を紹介します。
- トラブル1: 信号の誤接続
信号が正しく接続されていない場合、PLCの入力が認識されません。エンコーダからのA相B相信号がPLCに正しく伝わっているか、配線を再確認しましょう。 - トラブル2: パラメータ設定ミス
GX Works3でのパラメータ設定にミスがある場合、設定を再確認し、適切な設定が行われているか確認します。 - トラブル3: 信号レベルの不一致
ラインドライバの信号レベルがPLCの受け入れ可能なレベルと一致していない場合、オープンコレクタ出力を使用しているかを確認し、信号のレベルが適切かどうかを確認します。
4. より効果的な診断方法
問題の診断には、実際にエンコーダの出力信号を確認することが重要です。オシロスコープを使用して、A相B相信号が正しく生成されているか、信号がPLCに届いているかを確認しましょう。
5. まとめと今後の対策
今回の問題では、PLCへの入力信号の確認やパラメータ設定が適切であるかを再度確認することが最も効果的でした。今後は、信号伝送部分やパラメータ設定に特に注意を払い、必要に応じてトラブルシューティングを行いましょう。
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