x=0でのテイラー展開を使って関数の展開方法を学ぶ

大学数学

数学において、テイラー展開は関数をある点で展開する強力な手法です。今回は、関数のテイラー展開をx=0で行う方法を、いくつかの代表的な関数を例に解説します。具体的には、関数1/(1-x)、xe^x、arctan(x)のテイラー展開を求めていきます。

テイラー展開の基本的な考え方

テイラー展開は、ある関数を多項式で近似する方法です。特に、関数f(x)を点x=aで展開する場合、テイラー展開は以下のように表されます。

f(x) = f(a) + f'(a)(x – a) + f”(a)(x – a)^2 / 2! + f”'(a)(x – a)^3 / 3! + … と続きます。ここで、f'(a)、f”(a)などはそれぞれ関数の導関数をaで評価したものです。x=0での展開は特に「マクローリン展開」と呼ばれます。

関数1/(1-x)のテイラー展開

まず、1/(1-x)のテイラー展開をx=0で求めます。これは有名な展開式で、無限級数として表すことができます。

1/(1-x) = 1 + x + x^2 + x^3 + x^4 + … と展開されます。この式は、|x| < 1の範囲で収束します。各項はxの累乗となり、関数がx=0を中心にどのように振る舞うかを示しています。

xe^xのテイラー展開

次に、xe^xのテイラー展開を求めます。e^xのテイラー展開は、よく知られているように、e^x = 1 + x + x^2/2! + x^3/3! + …となります。これにxを掛けることで、次のように展開できます。

xe^x = x + x^2 + x^3/2! + x^4/3! + … と展開され、これも無限級数で近似されることがわかります。

arctan(x)のテイラー展開

最後に、arctan(x)のテイラー展開を求めます。arctan(x)は、次のように展開できます。

arctan(x) = x – x^3/3 + x^5/5 – x^7/7 + … と続きます。これは、xが小さい範囲では非常に良い近似となります。

テイラー展開を使う際の注意点

テイラー展開を使用する際には、展開する点からの距離が大きくなるほど近似が不正確になることに注意が必要です。特に、収束半径を越えると無限級数は発散してしまいます。

また、展開する関数が何度も微分できる場合、テイラー展開は非常に強力な手法ですが、微分可能でない点では適用できません。

まとめ

テイラー展開は関数の挙動を多項式で近似する方法で、x=0を中心に展開すると「マクローリン展開」と呼ばれます。1/(1-x)、xe^x、arctan(x)のテイラー展開の例を通じて、関数がどのように展開されるかを学びました。これを活用することで、関数の解析がより深まります。

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