数学において、極限の性質として「lim(an+bn) = lim(an) + lim(bn)」が成り立つことがよく知られています。しかし、これはすべての場合において成り立つわけではありません。特に、an、bnが収束するとは限らない場合、上記の式が成り立たない例が存在します。この記事では、このような例について解説します。
lim(an+bn) = lim(an) + lim(bn) の基本的な性質
極限の加法定理「lim(an+bn) = lim(an) + lim(bn)」は、an、bnがそれぞれ収束する場合に成り立ちます。具体的には、an → A、bn → B の場合、lim(an+bn) = A + B となります。しかし、an、bnが収束しない場合や、収束していても別の条件が必要な場合があります。
収束しない例
次のようなanとbnを考えてみましょう。
an = (-1)^n, bn = (-1)^(n+1)
ここで、anは交互に1と-1を繰り返す数列です。同様に、bnも交互に-1と1を繰り返します。この場合、anとbnはどちらも収束しません。したがって、lim(an+bn)を求める際に、極限の加法定理が適用できません。
合成された数列の極限
an + bnは次のように計算できます。
an + bn = (-1)^n + (-1)^(n+1) = 0
この場合、an + bnは常に0であるため、lim(an+bn) = 0 となります。一方、lim(an)やlim(bn)は存在しないため、lim(an) + lim(bn)を求めることができません。このように、収束しない数列の場合、極限の加法定理は成り立たないことがわかります。
まとめ
「lim(an+bn) = lim(an) + lim(bn)」が成り立つためには、an、bnがそれぞれ収束する必要があります。収束しない場合や、収束する方向が異なる場合には、この公式が成り立たないことがあるため注意が必要です。極限を計算する際は、数列が収束しているかどうかを確認することが重要です。
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