単3回路でL-大地間、N-大地間の対地間絶縁測定を行う際に、ブレーカーを切り忘れた場合にどのような結果になるのかについて説明します。特に、N-大地間では0に振り切れる理由は理解しやすいですが、L-大地間もなぜ0に振り切れるのかという疑問に答えます。
1. N-大地間が0に振り切れる理由
まず、N(中性線)はトランスのB種接地に繋がっており、大地と直接接続されています。このため、対地間絶縁測定を行うと、中性線と大地が電気的に接続されているため、抵抗値は0Ωに近い値を示します。つまり、N-大地間の絶縁測定は0に振り切れるのは当然です。
2. L-大地間が0に振り切れる理由
L-大地間の測定においても、0に振り切れる理由があります。L(ライブ線)は、供給側から電力を供給するために使用されますが、通常はブレーカーが入っている状態で流れる電流は非常に小さいです。ブレーカーが切れていない場合、L線は地絡している場合や、誤接地が起きている可能性があります。これにより、対地間で電流が流れる経路が形成され、L-大地間でも抵抗がほぼゼロに近くなり、0に振り切れることになります。
3. 発電所まで行く場合の絶縁値について
最終的に発電所まで行くはずだという考えですが、実際には発電所側での絶縁がしっかりしていれば、理論的には∞MΩの絶縁が保たれるはずです。しかし、配線の経路、接続状態、そして中間機器の影響を受けるため、現実的には測定時に0に振り切れることが多いです。これは、配線の途中で意図しない接地が生じているためです。
4. まとめと実際の対策
対地間絶縁測定において、N-大地間とL-大地間が0に振り切れる理由は、いずれも接地の状態や接続の状態に関係しています。特にL-大地間の振り切れは、誤接地や配線経路での問題に起因しています。対策としては、電気回路を適切に接地し、接続箇所を確認することで、このような問題を防ぐことができます。
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