材料力学の問題では、鋼棒や他の構造物に加わる力や変形を計算することが重要です。特に温度変化による伸縮や縮みを考慮した計算は実際の設計や問題解決においてよく出てきます。今回の問題では、温度変化によって鋼棒が縮みを生じないようにするために必要なおもりの重さを求めます。
1. 問題の整理
問題文から次の情報を抽出します。
- 鋼棒の直径:10mm
- 鋼棒の温度変化:25℃低下
- 縦弾性係数 E = 206 GPa
- 線膨張係数 a = 1.2 × 10^-5 /℃
- 目標:鋼棒の縮みを生じさせないために必要な下端にかけるおもりの重さ
次に、必要な計算を行います。
2. 温度変化による伸びの計算
鋼棒の温度が低下することによって、鋼棒は縮みます。この変化量は、次の式で求めることができます。
ΔL = L0 × a × ΔT
ここで、L0は鋼棒の元の長さ、aは線膨張係数、ΔTは温度の変化量です。温度変化が25℃であるため、この式を使って温度による変形量を計算します。
3. 鋼棒に加える力の計算
鋼棒におもりをつるすことで、その重さによって鋼棒に引っ張り力が加わり、縮みを相殺します。この力は、次の式で求めることができます。
F = E × A × (ΔL / L0)
ここで、Fは加えるべき力、Eは縦弾性係数、Aは鋼棒の断面積、ΔL / L0は温度による長さの変化割合です。
鋼棒の断面積Aは、直径dを使って次のように求めます。
A = π × (d/2)^2
4. 必要なおもりの重さを求める
最後に、加えるべき力Fを求めた後、その力に対応するおもりの重さWを求めます。おもりの重さWは、次の式で計算できます。
W = F
これで、鋼棒の縮みを生じさせないために必要な重さがわかります。計算結果は約4.851Nとなります。
5. まとめ
この問題では、鋼棒における温度変化による伸びや縮みを計算し、その縮みを防ぐために必要な力を求めました。鋼棒の寸法、温度変化、縦弾性係数、線膨張係数を基に、必要な力を求め、それに対応するおもりの重さを計算するという手順を踏みました。結果として、必要なおもりの重さは4.851Nであることが分かりました。
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