呼吸生理に関する問題では、様々な計算方法を使って体内のガスの移動や交換を求めることが求められます。特に、He(ヘリウム)を指示ガスとして使用した機能的残気量の測定方法は、量式鎖回路法を使って行われます。この問題では、He濃度の変化を基に残気量を計算する方法を説明します。
1. 問題の概要と与えられた条件
この問題では、He混合ガスを使用して機能的残気量を求めるための条件が与えられています。具体的な条件としては、He濃度が測定開始時に10.0%で、測定終了後に8.1%に減少しています。また、温度や湿度、気圧なども指定されています。
与えられた情報は以下の通りです。
- He注入前の回路容積:9.00L
- He混合ガスの加えられた量:4.00L
- He濃度(測定開始時):10.0%
- He濃度(測定終了時):8.1%
- 温度:26.0°C(飽和水蒸気圧 25.2mmHg)
- 室温:23.0°C、湿度50%、気圧760mmHg
- 肺活量:4.35L、予備呼気量:2.00L
2. 計算の手順と理屈
この問題を解くためには、量式鎖回路法に基づいて計算を行います。まず、He注入前後の濃度変化から体内のガス交換における総合的な変化を求めます。
計算式を以下のように整理できます。
- V₁ = 9.00L + 4.00L(He混合ガス注入前の回路容積)
- V₂ = V₁ × (C₁ – C₂) / C₂(He濃度の変化に基づく式)
ここで、C₁は初期のHe濃度(10.0%)、C₂は終了時のHe濃度(8.1%)です。この式を使って、Heガスが注入された後の体内残気量を算出します。
3. 計算結果と答え
計算を行うと、残気量は1.26Lとなり、選択肢の中では「3. 1.26」が正しい答えです。
このように、Heの濃度変化と回路容積から残気量を計算することができます。
4. まとめとアドバイス
呼吸生理の問題においては、様々なガス交換や呼吸器の機能を計算する技術が求められます。特に量式鎖回路法を使った測定では、各種ガス濃度や体内容積の変化を正確に求めることが重要です。この問題では、Heの濃度変化をもとにして残気量を計算しましたが、他にも呼吸生理に関する様々な計算方法があるので、実際に問題を解きながら理解を深めていくことが大切です。
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