この質問に対する回答として、漢語における外来語の歴史的な変異を探求し、時代ごとの特徴を紹介します。具体的には、鸦片戦争以前とその後における外来語の変化について触れます。
外来語の歴史的変遷
漢語における外来語は、時代ごとにその形式や意味が変化してきました。特に、外来語の音訳や意訳、そしてその表現方法には各時代特有の傾向があります。
鸦片戦争以前の音訳例
鸦片戦争以前の時代には、外来語は主に音訳されることが多く、音だけを取り入れてそのまま漢字で表現しました。例えば、秦漢時代の「葡萄(ぶどう)」は、大宛語(中アジアの古語)の「budaw」から来た音訳で、これは張騫が西域に使節として行った後に伝わったフルーツの名前です。
また、漢代の「狮子(しし)」は、波斯語の「shir」を音訳したもので、西域国家からの貢品名として伝わりました。さらに、「苜蓿(むぎ)」は、大宛語の「buksuk」から来ており、これは西域の馬の餌として使用された牧草を指します。
魏晋南北朝から唐代までの変遷
魏晋南北朝時代には、仏教に関連した用語が音訳されるようになりました。例えば、「袈裟(きせ)」は、梵語の「kasaya」を音訳したもので、仏教の僧侶が着る法衣を指します。さらに、唐代には「刹那(せつな)」という言葉が使われ、これは梵語の「ksana」から来たもので、仏教の時間の単位(約0.013秒)を指し、その後「瞬間」という意味に引き伸ばされました。
まとめ
外来語の音訳の歴史的な変遷を見ることで、漢語の発展と外国との文化的交流を理解することができます。外来語は、時代や文化の変化に伴い、漢字に翻訳され、またその意味や使われ方も変わってきました。このような変化は、現代の言語にも影響を与え続けています。
コメント