古文における自発の用法についての解説: 「あやまたれける」と「頼まるる」の自発の理由

文学、古典

古文における動詞の使い方、特に「れ」や「る」の用法には様々な意味があります。その中でも、自発の用法は非常に重要です。今回は、二つの古文の例を通して、自発の使い方とその理由について解説します。

①「み吉野の山べに咲けるさくら花雪かとのみぞあやまたれける」の「れ」の自発的な意味

この歌における「あやまたれける」の「れ」が自発の助動詞として使われる理由について考えましょう。「あやまつ」(間違う)は、確かに無意識的な動作を意味するため、この場合の自発的な意味合いが強くなります。

「あやまたれける」の「れ」は、動作が無意識的に行われたことを表現しています。つまり、この「れ」は、主語(この場合、桜の花)が意識的に間違ってしまったのではなく、自然にそうなったことを示しているのです。このように、古文では無意識的な動作や感情に「自発」を使うことがよくあります。

②「水の泡の消えでうき身といひながら流れてなほも頼まるるかな」の「るる」が自発的な意味

次に、「頼まるる」の「るる」が自発である理由を考えます。この文では、頼まるるは「自分の意志で頼まれる」という意味ではなく、他者から無意識的に頼まれているという意味で使われています。

古文の「る」「らる」は、自発の意味を持つ助動詞であり、行為者の意志に反して自然にそのような状態になることを示します。ここでは、話者が頼み事をするのではなく、他者から頼まれる状況が無意識に起こっているという意味になります。このような「自発」の使い方は、古文の特徴の一つです。

自発の用法と古文における表現技法

「れ」や「る」の自発的な意味を理解することは、古文を読む上で非常に重要です。自発の用法は、登場人物の感情や行動が自然に発生したものであることを強調するため、物語や詩の情感を深く伝えるために使用されます。

特に、感情が自然に湧き上がる様子や、予期せぬ出来事が自発的に起こる場面では、この自発の用法が重要な役割を果たします。古文を理解する際、助動詞の自発的な意味を見抜くことが、文章のニュアンスを正確に把握するための鍵となります。

まとめ

「あやまたれける」と「頼まるる」のように、古文の自発の用法は、無意識的な行動や自然に起こる出来事を表現するために使われます。これらの自発的な表現を理解することは、古文の深い意味を掘り下げる上で欠かせません。古文の助動詞の使い方をしっかりと理解し、文脈に応じて正しい意味を見出すことが、古文を正しく読むための大切なポイントです。

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