中和滴定は、酸と塩基の反応を利用して試料液中の酸や塩基のモル濃度を求めるための基本的な方法です。この記事では、中和滴定を使用した酸度測定の手順について解説し、成分Aのモル濃度の求め方や、成分Aのモル濃度を%濃度(W%)に変換する式をわかりやすく説明します。
①滴定結果に基づくモル濃度(m)の求め方
滴定の結果から試料液中の成分Aのモル濃度(m)を求めるためには、以下の公式を使用します。
m = (V × N) / V_sample
ここで、
V = 滴定に使用した標準液の体積 (L)
N = 標準液のモル濃度 (mol/L)
V_sample = 試料液の体積 (L)
この式を使用することで、滴定によって反応した標準液のモル数から、試料液中の成分Aのモル濃度を計算できます。
②モル濃度から濃度(%)に変換する式
試料液の比重b、希釈倍数y、成分Aのモル質量xgを考慮して、モル濃度(m)を%濃度(W%)に変換する式は以下のようになります。
W% = (m × x × b × y × 100) / 1000
ここで、
m = 試料液中の成分Aのモル濃度 (mol/L)
x = 成分Aのモル質量 (g/mol)
b = 試料液の比重 (g/mL)
y = 希釈倍数
この式を使うことで、モル濃度から成分Aの%濃度を求めることができます。具体的な数値をこの式に代入することで、試料液中の成分Aの%濃度がわかります。
実際の計算例
例えば、次のような条件を考えてみましょう。
試料液のモル濃度(m) = 0.5 mol/L
成分Aのモル質量(x) = 36.46 g/mol
試料液の比重(b) = 1.02 g/mL
希釈倍数(y) = 2
これらの値を上記の式に代入すると、W%が計算できます。
W% = (0.5 × 36.46 × 1.02 × 2 × 100) / 1000 = 3.72%
この計算により、成分Aの%濃度が3.72%であることがわかります。
まとめ
中和滴定を使用して試料液中の成分Aのモル濃度を求めるには、滴定に使用した標準液の体積とモル濃度をもとに計算することができます。さらに、モル濃度から%濃度に変換する式を使うことで、成分Aの濃度を直接求めることができます。これらの計算を正確に行うことで、試料液の酸度や濃度を正確に測定することができます。
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