線形代数の問題でよく出てくる「掃き出し法」を用いた行列の行標準形への変換について解説します。今回の問題では、次の行列を掃き出し法を使って行標準形に変換します。
問題の行列
以下の行列が与えられています。
行列A:
0 2 4 2
3 7 2 5
2 4 0 2
掃き出し法の基本的なステップ
掃き出し法は、行列を簡単にするために行を操作する方法です。主に行の交換、スカラー倍、行の加減算を行っていきます。行列の目的は、行標準形にすることで、以下の3つの条件を満たすように変換します。
- 各行の先頭の非ゼロの数字が1である。
- その1の下の数字はすべて0である。
- 行の順番は上から下へ順番に並べられている。
手順1: 最初の行を操作
まず、行列Aの最初の列を見て、先頭の数字を1にするために行操作を行います。最初の行をスカラー倍して先頭の値を1にします。
行列の状態は以下の通りです。
行列Aの操作後:
1 2 4 2
3 7 2 5
2 4 0 2
手順2: 1の下にゼロを作る
次に、1がある位置(行1, 列1)を基準にして、その下の行を操作してゼロにします。具体的には、行2から3の1列目をゼロにするように行を調整します。
その結果、行列Aは次のようになります。
行列Aの操作後:
1 2 4 2
0 1 -2 -1
0 2 -4 -2
手順3: 最後に残った行を操作
残った行(行3)の1列目がゼロであり、2列目に注目して、行を調整します。
最終的に、行列Aは行標準形になります。
まとめ
掃き出し法によって行列を行標準形に変換することができました。掃き出し法は少し手間がかかりますが、ステップごとに分けて行うことで、確実に行列を簡単にすることができます。この方法をしっかりと理解し、繰り返し練習していくことが重要です。
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