アタカマ砂漠が海から近いのに砂漠である理由とは？

アタカマ砂漠は、世界で最も乾燥した地域の一つとして知られていますが、なぜ海に近いにもかかわらず、これほど乾燥しているのでしょうか？本記事では、その原因を解説します。

1. アタカマ砂漠の地理的特徴

アタカマ砂漠は南米のチリに位置し、太平洋沿岸に接しています。海から近いにも関わらず、非常に乾燥している理由は、この地域特有の気象条件によるものです。海洋と砂漠の近さがどのように影響しているのか、具体的に見ていきましょう。

アタカマ砂漠の乾燥の一因は、ペルー海流（またはハンボルト海流）にあります。この寒流は、太平洋の南部から北上し、チリ沿岸を流れています。寒流が沿岸の気温を下げ、湿った空気が上昇しにくくなるため、湿度が低く、降水量が非常に少なくなります。

また、アタカマ砂漠の東側にはアンデス山脈がそびえ立っています。山脈は湿った空気を阻止し、降水が山脈の東側でほとんど降ってしまうため、アタカマ砂漠では乾燥した空気が残ることになります。この「雨陰効果」によって、さらに乾燥が進むのです。

アタカマ砂漠は海から近いにも関わらず、標高が高いため、昼夜の温度差が極端です。このため、昼間は非常に暑く、夜間は冷え込むため、乾燥した空気が形成されやすくなります。さらに、空気中の水分が不足しているため、湿度が低く保たれることになります。

アタカマ砂漠の乾燥は、寒流の影響とアンデス山脈による雨陰効果が主な原因です。海からの湿った風が砂漠に十分な湿度をもたらさないため、この地域は極度の乾燥状態を保っています。アタカマ砂漠の気象条件は、地理的、気候的、そして地形的な要素が組み合わさった結果であることがわかります。