数学の記述で「〜とおける」はNG?適切な表現とその理由を解説

高校数学

数学の記述では、論理的に正確で誤解のない表現が求められます。その中で、「〜とおける」という表現は曖昧であり、論述問題では避けるべきとされています。この記事では、その理由と代わりに使うべき表現について詳しく解説します。

「〜とおける」がなぜ問題なのか?

「pはkqとおける(kは整数)」という書き方は、高校数学などでよく見かけます。しかし、これは「仮にそう定める」といった印象を与える表現であり、証明や論理の中では不適切とされることがあります。

特に記述式試験や大学入試などでは、「根拠のない仮定」に見える表現は避ける必要があります。定義に基づいた主張であるならば、それを明確に記述することが求められます。

適切な言い換え表現例

では、実際にどのように書けばよいのでしょうか。以下に具体的な例を示します。

  • ❌ 「pはkqとおける(kは整数)」
  • ⭕ 「pはqの倍数であるから、ある整数kが存在して、p=kqと書ける」
  • ⭕ 「pはqの倍数である。したがって、p=kq(k∈ℤ)と表される」

このように、「ある整数kが存在して…」や「〜と表せる」といった表現に置き換えることで、論理的な流れが明確になります。

数学記述における表現の基本方針

数学の記述では、以下のようなポイントを意識することで、論理的な説得力が高まります。

  • 定義・前提に基づいた記述をする
  • 結論に至る理由や条件を明示する
  • 「存在する」「任意の」などの数学的表現を正しく使う

例えば、「pは偶数なので、p=2nとおける」ではなく、「pは偶数なので、ある整数nが存在して、p=2nと書ける」と書くことで論理の根拠を示すことができます。

中学・高校数学での表現とその移行

中学校では「〜とおく」という表現が許容されることもありますが、高校や大学入試レベルになると「論理性・正当性」がより厳密に求められるようになります。そのため、早い段階から「〜と表せる」「〜が存在する」といった適切な表現を習得しておくことが重要です。

教科書や参考書に書かれている「〜とおく」「〜とおける」も、簡略化された説明であることを理解し、自分で使う際には場面に応じて適切に言い換える意識を持ちましょう。

まとめ:数学的な表現を論理的に使いこなす

「〜とおける」という表現は、説明としては簡潔ですが、厳密な記述には適していません。正しくは、「ある数が存在して〜と表される」など、論理の根拠を明示した表現にすることが大切です。

記述問題では、結論だけでなくその過程を説明する能力も問われます。より伝わる数学を目指して、正確な記述力を身につけていきましょう。

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