生コンの配合に関する図面に「30-18-20(25)」と記載されている場合、その意味、特に最後の数字の解釈は、初心者にとって分かりにくいかもしれません。この記事では、建設業界で一般的に使われるこの配合表示の読み方と、その意味について詳しく解説します。
生コン配合の一般的な読み方
生コンクリートの配合は、工事の仕様書や図面において、通常3つの数字の組み合わせで表記されます。これはJIS(日本産業規格)で定められた表示方法に基づいています。
「30-18-20」と記載されている場合、これはセメントの割合などを示すものではありません。工事関係者はこれを次のように解釈します。
- 最初の「30」:呼び強度 (単位: N/mm²) – コンクリートが設計上持つべき圧縮強度を示します。この場合、30N/mm²の強度を持つコンクリートを意味します。
- 中央の「18」:スランプ (単位: cm) – まだ固まっていない生コンクリートの流動性(柔らかさ)を示す値です。スランプ値が大きいほど、流動性が高くなります。この場合、18cmのスランプを意味します。
- 最後の「20」:粗骨材の最大寸法 (単位: mm) – 使用する砂利や砕石といった粗骨材の、最も大きい粒の直径を示します。この場合は20mmです。
このように、「呼び強度 – スランプ – 粗骨材の最大寸法」の順で記載するのが業界の標準であり、このルールを覚えておくことが重要です。
「(25)」の意味は?
では、「30-18-20(25)」という表記の「(25)」は何を意味するのでしょうか。これは、使用する粗骨材の最大寸法を「25mm」で指定していると解釈するのが最も一般的です。
通常は「30-18-25」とシンプルに表記されますが、「30-18-20(25)」となっている場合、基本仕様が「20mm」であることを示しつつ、この工事では特記として「25mm」を使用する、といった意図が含まれている可能性があります。いずれにせよ、実際に使用すべきはカッコ書きで強調されている「25mm」の粗骨材です。
指定された骨材サイズを守る重要性
「粗骨材の最大寸法が20mmでも25mmでもよい」という意味では決してありません。コンクリート構造物の品質は、設計図書で指定された材料を正しく使用することで確保されます。
鉄筋の間隔(かぶり厚さ)や、コンクリートを流し込む型枠の寸法によって、使用できる骨材の最大寸法は制限されます。指定と異なるサイズの骨材を使用すると、コンクリートが隅々まで行き渡らずにジャンカ(充填不良)という欠陥を生じさせたり、設計通りの強度が出なかったりする原因となります。そのため、指定された骨材寸法を必ず守る必要があります。
まとめ
生コンの配合「30-18-20(25)」は、以下の内容を指定しています。
- 呼び強度: 30 N/mm²
- スランプ: 18 cm
- 粗骨材の最大寸法: 25 mm
この表記は、発注者から施工者、そして生コン工場まで、すべての関係者が同じ品質のコンクリートを共有するための重要な情報です。特に建設業の初心者は、この基本的な読み方を正しく理解しておくことが不可欠です。
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