遮断周波数125kHz、50Ω公称インピーダンスのπ形HPF設計方法

工学

電子回路設計において、ハイパスフィルタ(HPF)の設計は重要な課題です。特にπ形HPFは、特定の周波数以上の信号を通過させ、低周波数の信号を遮断するために使用されます。この記事では、遮断周波数125kHz、50Ωの公称インピーダンスを持つπ形HPFを設計する方法について解説します。

π形HPFとは?

π形HPFは、インダクタ(L)とコンデンサ(C)を組み合わせた回路で、特定の周波数以上の信号を通過させ、低い周波数の信号を遮断するフィルタです。名前の由来は、その回路構成がπ字型に似ているためです。特に、インピーダンス整合を保ちながら、信号の特定周波数成分を選別するために用いられます。

本記事では、遮断周波数125kHz、インピーダンス50Ωという条件で、π形HPFを設計する方法を説明します。

π形HPFの設計の基本式

π形HPFの設計においては、以下の基本的な関係式を使用します。遮断周波数f₀を決定するための公式は次のようになります。

f₀ = 1 / (2π√(LC))
Z₀ = √(L/C)

これらの式を使って、回路に必要なインダクタンス(L)とキャパシタンス(C)の値を計算します。

π形HPFの回路図と設計手順

π形HPFの基本的な回路は、インダクタ(L)とコンデンサ(C)がπ字型に配置されます。具体的には、インピーダンス整合のため、回路は以下のように構成されます。

・インダクタ(L)は中央に配置され、信号入力と出力の間に接続されます。
・2つのコンデンサ(C)は、インダクタの両端に接続され、それぞれがインピーダンス整合を保つ役割を果たします。

遮断周波数を125kHzと設定した場合、以下の計算を行います。

まず、インピーダンスZ₀ = 50Ωとし、遮断周波数f₀ = 125kHzにおけるLとCを求めます。上記の式を用いて計算を行うと、LとCの値が決定されます。

実際の計算例

遮断周波数f₀ = 125kHz、公称インピーダンスZ₀ = 50Ωの場合、以下の手順で計算を進めます。

1. Z₀ = √(L/C) から L/C = Z₀² として、L = Z₀² * C に置き換えます。

2. f₀ = 1 / (2π√(LC)) から、L = 1 / (2πf₀)² * C として、LとCの値を求めます。

計算結果として、適切なインダクタンス(L)とキャパシタンス(C)の値が求められ、これに基づいて回路を構成することができます。

まとめ

遮断周波数125kHz、50Ω公称インピーダンスのπ形HPFを設計するには、インダクタとコンデンサの適切な値を計算し、回路を構成する必要があります。π形HPFは、特定の周波数以上の信号を通過させ、低い周波数の信号を遮断するための効果的なフィルタ回路です。この設計手法を理解することで、より効率的に電子回路を設計できるようになります。

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