信頼性工学において、システムのアベイラビリティ(可用性)は重要な指標であり、特にハードディスクの故障確率や修理時間が影響を与えます。今回の問題では、RAIDを使用せずに1台のハードディスクを使用するシステムのアベイラビリティを計算します。この計算は、システムのダウンタイムを最小限に抑えるために必要です。
問題の背景
まず、与えられた条件として、ハードディスク1台における年間故障確率が1.0%であり、そのハードディスクが故障した場合、交換に44時間かかることが分かっています。この間、システムは使用できないとされています。システムのアベイラビリティを求めるためには、これらのデータを考慮する必要があります。
アベイラビリティとは、システムが使用可能である割合を示す指標です。この問題では、1年(365日)におけるシステムの稼働時間と故障時のダウンタイムを元に、アベイラビリティを求めます。
アベイラビリティの計算式
システムのアベイラビリティは、以下の式で求めることができます。
アベイラビリティ = (稼働時間 / 総時間) × 100
ここで、総時間は1年間の時間(365日 × 24時間)となり、稼働時間は故障によるダウンタイムを引いた時間になります。故障時には交換に44時間かかるため、その間のダウンタイムを引く必要があります。
故障によるダウンタイムの影響
1年間でハードディスクが故障する確率は1.0%です。つまり、年間に0.01回程度故障することになります。このとき、故障によるダウンタイムは44時間です。
故障しない確率は99.0%であり、故障が発生しない場合はシステムはフルに稼働しています。故障した場合のダウンタイムを加味して、システムのアベイラビリティを求めます。
計算手順
1年間(365日 × 24時間 = 8760時間)のシステム稼働時間に対して、故障が発生した場合のダウンタイム(44時間)を引きます。故障の確率は1.0%なので、故障によるダウンタイムを考慮したアベイラビリティを計算します。
アベイラビリティ = (8760時間 – (0.01 × 44時間)) / 8760時間 × 100
結果と解説
計算により、システムのアベイラビリティを求めると、次のようになります。
アベイラビリティ = (8760 – 0.44) / 8760 × 100 = 99.995
この結果から、ハードディスクが故障しても、システムは99.995%の確率で稼働していることが分かります。つまり、ほとんどの時間でシステムは使用可能であり、非常に高いアベイラビリティを誇ります。
まとめ
信頼性工学におけるシステムのアベイラビリティは、故障確率と修理にかかる時間から求めることができます。今回の例では、ハードディスク1台を使用したシステムのアベイラビリティが非常に高いことが示されました。故障によるダウンタイムを最小限に抑えたシステム設計が、可用性の向上に寄与することが理解できました。
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