この問題では、文脈自由文法 G = ({S}, Σ, P, S) によって生成される言語 L(G) = {0^n 10^n | n ≥ 0} が正則言語でないことをポンピング補題を用いて証明します。まずはポンピング補題の基本的な概念と、それをどのように適用するかを理解していきましょう。
ポンピング補題の概要
ポンピング補題は、正則言語に関する重要な定理です。この定理によれば、もしある言語が正則であれば、その言語に属する十分長い文字列を分解し、特定の方法で「ポンピング」を行ってもその文字列が言語に残ることが期待されます。具体的には、文字列を x, y, z の3つの部分に分け、y を繰り返すことでその文字列が依然として言語に含まれることを示す必要があります。
証明のステップ
問題の言語 L(G) = {0^n 10^n | n ≥ 0} を正則言語だと仮定し、ポンピング補題に従って証明を行います。ここで、L(G) に含まれる文字列 w = 0^p 10^p (pは十分大きな正整数)を選びます。
w = 0^p 10^p に対して、ポンピング補題に従い、w を xyz と分解します。このとき、|xy| ≤ p および |y| > 0 という条件が成り立ちます。そして、y 部分には必ず 0 が含まれていることになります。
y の繰り返しによる矛盾
次に、y 部分を繰り返して x y^2 z を得たとき、w における 0 の個数は増加しますが、1 の個数は増加しません。これにより、x y^2 z は L(G) に含まれないことがわかります。なぜなら、L(G) に含まれる文字列は 0 と 1 の個数が一致している必要があるからです。
したがって、x y^2 z は L(G) には属さないため、ポンピング補題に矛盾が生じます。この矛盾から、最初の仮定(L(G) が正則言語であること)が間違いであることが示されます。
まとめ
このようにして、L(G) = {0^n 10^n | n ≥ 0} は正則言語ではないことがポンピング補題を使って証明されました。ポンピング補題を使った証明は、言語が正則かどうかを確認するための強力なツールです。今回の例では、正則言語の定義に矛盾が生じたため、L(G) は正則言語ではないと結論しました。
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