高校数学でよく出てくる複素数の掛け算について、具体的な計算手順を解説します。問題として与えられた式 (1+3i)(a-bi) = -2i を展開する過程を詳しく見ていきましょう。
1. 複素数の掛け算の基本
まず、複素数の掛け算の基本的な方法は、通常の代数と同じように分配法則を使うことです。つまり、(a+b)(c+d) の形であれば、a(c+d) + b(c+d) というように展開します。
この場合も同じように、(1+3i)(a-bi) を展開していきます。ここでは、1 と 3i をそれぞれ a – bi に掛け算していきます。
2. 展開の詳細
式 (1+3i)(a-bi) を展開する際には、以下の4つの項を計算します。
- 1 × (a – bi) = a – bi
- 3i × (a – bi) = 3ai – 3bi²
ここで重要なのは、i² = -1 という複素数の基本的な性質です。したがって、3bi² は -3b となります。
これらをまとめると、次のような式が得られます。
a - bi + 3ai - 3bi²
そして、i² = -1 なので、式は次のように簡略化されます。
a - bi + 3ai + 3b
3. 実数部と虚数部の整理
次に、この式を実数部と虚数部に分けて整理します。実数部と虚数部を分けることで、最終的に問題の式 (a + 3b) + (3a – b)i が得られます。
式を整理すると、実数部は a + 3b、虚数部は 3a – b になります。これを式で表すと、次のようになります。
(a + 3b) + (3a - b)i = -2i
4. 方程式の解法
最後に、この式を -2i と比較して解を求めます。両辺の実数部と虚数部を比較することで、a と b の値を求めることができます。
実数部は左辺には a + 3b という式があり、右辺には実数部がありません。したがって、a + 3b = 0 となります。
虚数部は左辺に (3a – b)i があり、右辺には -2i です。したがって、3a – b = -2 となります。
これらの方程式を解くことで、a と b の値を求めることができます。
まとめ
複素数の掛け算では、分配法則を使って式を展開し、実数部と虚数部を分けて整理することが重要です。この問題では、(1+3i)(a-bi) = -2i を展開し、実数部と虚数部をそれぞれ比較して解を求めることができます。複素数の計算は、基本的な法則をしっかりと理解して、順を追って整理していくことが大切です。
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