気体の状態方程式の問題解説:ドライアイス、酸素、気体の密度に基づく計算方法

化学

気体の状態方程式を使った問題を解く方法について、具体的な計算手順を解説します。この記事では、ドライアイス、酸素、そして気体の密度を使った問題に対して、状態方程式をどのように立て、計算を行うかを詳しく説明します。気体の性質や状態方程式を理解するためのヒントを得ることができます。

気体の状態方程式の基本

気体の状態方程式は、理想気体の挙動を説明するための重要な式であり、次のように表されます。

PV = nRT

ここで、Pは圧力(Pa)、Vは体積(L)、nはモル数(mol)、Rは気体定数(8.31×10³ Pa・L/mol・K)、Tは絶対温度(K)を意味します。この方程式を使って、気体の状態に関するさまざまな問題を解くことができます。

問題1:ドライアイス10.0gが完全に気体になったときの体積を求める

ドライアイス(固体二酸化炭素)10.0gが完全に気体になった場合、気体の体積を求める問題です。まず、必要な情報を整理します。

  • ドライアイスの質量:10.0g
  • 気体定数:R = 8.31 × 10³ Pa・L/mol・K
  • 温度:0°C(絶対温度T = 273.15 K)
  • 圧力:1.013 × 10⁵ Pa

まず、モル数を求めるために、二酸化炭素のモル質量(C = 12, O = 16なので、CO₂の分子量は44.0 g/mol)を使って、モル数nを計算します。

n = 10.0g ÷ 44.0g/mol = 0.227 mol

次に、状態方程式PV = nRTを使って体積Vを求めます。

V = (nRT) ÷ P = (0.227 mol × 8.31 × 10³ Pa・L/mol・K × 273.15 K) ÷ 1.013 × 10⁵ Pa ≈ 5.48 L

答え:V ≈ 5.5L(小数第1位まで)

問題2:酸素8.0gを真空容器に入れたときの圧力を求める

次に、酸素8.0gを内容積8.31Lの真空容器に入れた場合の圧力を求める問題です。

まず、酸素のモル質量は32.0 g/molです。酸素のモル数nを計算します。

n = 8.0g ÷ 32.0g/mol = 0.25 mol

次に、状態方程式PV = nRTを使って圧力Pを求めます。温度は27°C(絶対温度T = 300.15 K)です。

P = (nRT) ÷ V = (0.25 mol × 8.31 × 10³ Pa・L/mol・K × 300.15 K) ÷ 8.31L ≈ 3.00 × 10⁴ Pa

答え:P ≈ 3.0 × 10⁴ Pa

問題3:気体の密度から分子量を求める

ある気体の密度が7°C、1.013 × 10⁵ Paで測定され、1.11gの質量が与えられている場合、この気体の分子量Mを求める問題です。まず、密度からモル数を計算し、分子量を求めます。

温度は7°C(絶対温度T = 280.15 K)、圧力は1.013 × 10⁵ Paです。まず、密度ρを求めます。

密度ρ = 質量 ÷ 体積 = 1.11g ÷ (V)です。

次に、状態方程式PV = nRTを使ってモル数nを求め、分子量Mを計算します。

モル数n = (P × V) ÷ (R × T) です。

まとめ

気体の状態方程式は、気体の性質を理解するために非常に有用なツールです。ドライアイス、酸素、そして気体の密度を基にした問題を解く際には、モル数や圧力、体積、温度といった情報を整理して状態方程式を使いこなすことが重要です。この記事で紹介した方法を参考に、他の気体に関する問題も解けるようになりましょう。

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