ノルムの定義と式の詳細解説:Σ[i≠j]|xi||xj| の部分について

大学数学

大学数学においてノルム(絶対値)の概念は非常に重要で、特にベクトル空間におけるノルムの性質を理解することは多くの問題を解くために必要です。ここでは、ノルムに関連する式について、特に「Σ[i≠j]|xi||xj|」の部分がどのように成り立つのか、そしてその意味をわかりやすく解説します。

ノルムとは?

ノルムは、ベクトルの大きさを測る関数です。一般的には、ベクトル x = (x1, x2, …, xn) に対して、そのノルムは次のように定義されます。

‖x‖ = √(x1² + x2² + … + xn²)

このように、ノルムはベクトルの各成分の平方和の平方根として計算されます。ノルムの性質により、ベクトルの長さや方向、さらには直線距離などを測ることができます。

問題の式の詳細

問題で取り上げられている式は次の形です。

(Σ[i=1→n]|xi|)² = (|x1| + |x2| + … + |xn|)² = |x1|² + |x2|² + … + |xn|² + Σ[i≠j]|xi||xj|

この式を詳細に分解して理解していきましょう。まず、左辺は各成分の絶対値を足した後、その結果を二乗した形です。右辺は、同じく絶対値を二乗した各項に加え、交差項として Σ[i≠j]|xi||xj| の項が現れます。この交差項が何を意味しているのかを詳しく説明します。

交差項 Σ[i≠j]|xi||xj| の意味

交差項 Σ[i≠j]|xi||xj| は、ベクトルの成分同士の絶対値の積の和を意味しています。具体的には、xi と xj が異なる場合に、それぞれの絶対値を掛け合わせ、その全ての組み合わせを合計した値になります。

この交差項が登場する理由は、(Σ[i=1→n]|xi|)² を展開した際に、二乗項と交差項が生じるためです。展開式は次のようになります。

(|x1| + |x2| + … + |xn|)² = |x1|² + |x2|² + … + |xn|² + Σ[i≠j]|xi||xj|

ここで、Σ[i≠j] の部分は、i と j が異なるすべての組み合わせを表しています。つまり、すべての成分の絶対値を掛け合わせたものの合計が、交差項として現れます。

実際の例を使った解説

具体例として、ベクトル x = (x1, x2) を考えてみましょう。このとき、(Σ[i=1→n]|xi|)² の式は次のように展開できます。

(|x1| + |x2|)² = |x1|² + |x2|² + 2|x1||x2|

この場合、交差項 Σ[i≠j]|xi||xj| は 2|x1||x2| という形で現れます。これが、各成分の絶対値の積として現れる理由です。

まとめ

ノルムに関する式で登場する Σ[i≠j]|xi||xj| は、ベクトルの成分同士の絶対値の積をすべての組み合わせについて合計する項です。この交差項は、(Σ[i=1→n]|xi|)² を展開した結果として自然に現れます。数学の問題では、このような項をうまく扱うことが求められるため、しっかりとその意味と計算方法を理解しておくことが重要です。

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