統計の問題として、あるラグビー選手の母集団が正規分布に従っている場合、無作為に選んだ標本から特定の条件を満たす選手が含まれる確率を計算する方法について説明します。具体的には、母集団の身長が(175, 10^2)の正規分布に従う場合に、無作為に選んだ10人のうち少なくとも1人が185cm以上である確率を求める問題です。
1. 母集団の分布と与えられた条件
まず、母集団の身長は正規分布(N(175, 100))に従っています。ここで、175は平均身長、100は分散を意味します。問題で求める確率は、「無作為に10人選んだ場合に、少なくとも1人が185cm以上である確率」です。
この問題を解くために、まず「余事象」を利用する方法について考えます。
2. 余事象を利用する
「少なくとも1人が185cm以上である確率」を求めるために、余事象を使います。余事象とは、ある事象が起こらない確率を計算し、それを1から引くことによって求める方法です。
具体的には、「10人全員が185cm未満である確率」をまず求め、その後それを1から引くことで、「少なくとも1人が185cm以上である確率」を求めます。
3. Z値を使った計算方法
次に、185cm以上の身長を持つ選手が含まれる確率を求めるためにZ値を使います。Z値は、標準正規分布を使って特定の値がどの位置にあるかを示す指標です。Z値は以下のように計算できます。
Z = (X – μ) / σ
ここで、Xは185cm、μは平均175cm、σは標準偏差(√100 = 10)です。
したがって、Z = (185 – 175) / 10 = 1となります。このZ値を使って、標準正規分布表を参照し、185cm以上の身長を持つ確率を求めます。
4. 標本に対する確率の計算
Z値が1の場合、標準正規分布における1以上の確率は約0.1587です。つまり、1人の選手が185cm以上である確率は約0.1587です。
次に、「全員が185cm未満である確率」を求めます。1人の選手が185cm未満である確率は1 – 0.1587 = 0.8413です。10人全員が185cm未満である確率は、この値を10回掛け算したものになります。
したがって、全員が185cm未満である確率は0.8413^10 ≈ 0.1387です。
5. 結果の計算
最終的に、少なくとも1人が185cm以上である確率は1からこの値を引いたものになります。
1 – 0.1387 ≈ 0.8613です。
したがって、無作為に選んだ10人の中で少なくとも1人が185cm以上である確率は約86.13%です。
6. まとめ
この問題では、正規分布を利用して「少なくとも1人が185cm以上である確率」を求めました。余事象を活用し、Z値を使って確率を求める方法を理解することができました。統計学では、このように確率を計算するための基本的な方法が多くあります。これらの手法を駆使することで、より複雑な問題も解決できるようになります。
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