この問題では、2次方程式 x² – 2ax + a + 6 = 0 の2解がどちらも負となるような定数aの値の範囲を求める問題です。解答において判別式D>=0と記載されていますが、D>0ではない理由についても解説します。
2次方程式の解の条件
2次方程式 ax² + bx + c = 0 の解を求める際、判別式D = b² – 4ac を使うことが一般的です。判別式が次のように解の性質を決定します。
- D > 0: 2解が異なる実数解
- D = 0: 2解が重解(重複した実数解)
- D < 0: 解が実数でなく複素数解
ここで重要なのは、問題で要求されている「2解がどちらも負」であることを考慮して、解の存在に加え、解の符号についても考える必要があるということです。
与えられた方程式の整理
与えられた方程式 x² – 2ax + a + 6 = 0 を見てみましょう。この式を一般的な2次方程式の形 ax² + bx + c = 0 に合わせると、次のように整理できます。
- a = 1 (x²の係数)
- b = -2a (xの係数)
- c = a + 6 (定数項)
このときの判別式Dは次のように計算できます。
D = (-2a)² – 4(1)(a + 6) = 4a² – 4(a + 6) = 4a² – 4a – 24 = 4(a² – a – 6)
よって、判別式Dは D = 4(a² – a – 6) となります。
2解が負となるための条件
問題で求められているのは、2つの解がどちらも負であるという条件です。解の公式を用いると、2次方程式の解は次のように求められます。
x = (-b ± √D) / 2a
この場合、b = -2a であり、解の公式は次のように表せます。
x = (2a ± √D) / 2
この式から、解が負となるためには、次の条件を満たさなければなりません。
- 解が実数であるために、D >= 0 でなければならない
- 解が負であるために、(2a ± √D) / 2 < 0 という条件が必要です
なぜD > 0ではなくD >= 0か?
ここで重要なのは、判別式Dが0である場合でも2つの実数解が存在することです。D > 0であれば解は異なる実数解となり、D = 0であれば重解となります。解が負であることを確実にするためには、少なくとも実数解が存在しなければならないので、D >= 0であれば良いのです。
逆に、D < 0だと解は実数解ではなく複素数解になるため、この場合は解が負であるという条件を満たすことができません。
まとめ
今回の問題では、判別式Dが>= 0であることが必要です。D = 0の場合でも解が実数であり、重解として存在するため、解が負となる場合もあります。従って、D > 0ではなくD >= 0が適切な条件であり、この条件を満たすaの範囲を求めることで、解が負であることが確認できます。
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