化学基礎において、水酸化ナトリウム水溶液と硫酸水溶液の混合後にpHを計算する問題は、酸と塩基の中和反応を理解するための重要な練習となります。本記事では、問題における「pH=2.0」からH⁺が過剰であることをどのように判断するか、またその計算過程について解説します。
酸と塩基の中和反応
まず、問題において水酸化ナトリウム(NaOH)と硫酸(H₂SO₄)が混合されると、これらの物質が化学反応を起こし、酸と塩基の中和反応が進行します。NaOHは塩基として、H₂SO₄は酸として働きます。中和反応により、水(H₂O)と塩(Na₂SO₄)が生成されます。
具体的には、次のような反応が行われます。
2NaOH + H₂SO₄ → Na₂SO₄ + 2H₂O
この反応により、水酸化ナトリウムが硫酸と中和反応を起こし、酸と塩基が相殺されることが期待されます。しかし、この問題では、pHが2.0であることが示されているため、完全な中和が起こっていないことがわかります。
pH=2.0からH⁺が過剰であることがわかる理由
pH=2.0は非常に酸性の値であり、pHが低いほど水溶液中のH⁺濃度が高いことを示しています。pHは水溶液中の水素イオン(H⁺)の濃度を示す指標であり、pH = -log[H⁺]の関係に基づいています。
具体的には、pH=2.0である場合、[H⁺]は次のように計算できます。
[H⁺] = 10^(-pH) = 10^(-2) = 0.01 mol/L
この値は、酸性の強さを示しており、水酸化ナトリウムと硫酸の反応後にもH⁺が残っていることを意味します。もし中和が完全に進行していれば、pHは7付近に近づくはずです。したがって、pH=2.0ということは、反応後にH⁺が過剰であり、酸が残っている状態であることがわかります。
反応後のpHから求めるH⁺の過剰量
反応後のpHからH⁺の過剰量を計算するためには、まず反応に関わるすべての物質のモル数を確認する必要があります。問題の条件から、水酸化ナトリウム水溶液は20ml、硫酸水溶液は100ml、硫酸の濃度は0.050mol/Lです。
反応におけるモル数を比較し、硫酸のモル数を求めると。
モル数 = 濃度 × 体積 = 0.050mol/L × 0.100L = 0.005mol
一方で、水酸化ナトリウムのモル数は、pHから得られるH⁺濃度を基に計算できます。残ったH⁺量を基に、水酸化ナトリウムの濃度を逆算することができます。
まとめ
この問題では、pH=2.0という結果から、硫酸と水酸化ナトリウムの中和反応後にH⁺が過剰であることが分かります。これは、完全な中和反応が進んでいないためであり、その後に残ったH⁺濃度から、水酸化ナトリウム水溶液の濃度を求めることができます。化学の問題において、pHの値が示す情報を正しく解釈することは、反応後の化学物質の状態を理解するために非常に重要です。
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